WRCプロモーターは、南米のパラグアイが2025年のWRCカレンダーに加わることが確定したことを発表した。パラグアイでのWRCイベント開催は初めてで、WRC開催国としては38カ国目となる。(*FIAワールドモータースポーツカウンシルでの承認…

WRCプロモーターは、南米のパラグアイが2025年のWRCカレンダーに加わることが確定したことを発表した。パラグアイでのWRCイベント開催は初めてで、WRC開催国としては38カ国目となる。(*FIAワールドモータースポーツカウンシルでの承認待ち)

この発表は6月22日(土)、パラグアイの首都アスンシオンで行われたパラグアイラリー選手権第3戦ペトロブラスラリーのセレモニアルスタートで、パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領によって行われたもの。

「パラグアイは大きく、世界は我々の存在に気付き始めようとしている。WRCのようなワールドクラスのイベントを開催することで、我々の偉大さをさらに世界に示すことができる」とペニャ大統領は語った。





WRCプロモーターは、パラグアイとは複数年契約を結んでおり、南米で毎年ふたつのイベントを開催するというWRCプロモーターの長年の野望を実現することになる。パラグアイは南米の中心で、ラリーが盛んである伝統を誇る国。パラグアイ出身のドライバーとしては、2010年代にWRCアルゼンチンでおなじみのグスタボ・サバや、最近ではWRC2部門にステップアップしたファブリツィオ・ザルディバール、ジュニアWRCとWRC3でタイトル候補に挙げられているディエゴ・ドミニゲスがいる。また、FIAの地域ラリー選手権、コダスール・南米ラリー選手権では、過去11年、パラグアイのドライバーがタイトルを獲得している。

WRCプロモーターがより持続可能なラリーへの道筋を作るという積極的なアプローチをとっていることは、パラグアイのWRC招致に大きな役割を果たした。パラグアイでは、送電網の電力の100%を持続可能な資源でまかなっており、全車が100%化石燃料を使用しないWRCの持続可能な理念を反映している。

「パラグアイとはすでに何年も話し合いを続けてきたので、今回、合意に至ったことは非常に喜ばしいことだ」と、この発表の場に同席していたWRCプロモーターのシニアイベントディレクター、サイモン・ラーキンは語る。
「この国のラリーへの情熱は聞くまでもなく、この情熱をパラグアイの壮大な景色とともに発信することが待ち切れない」

FIA総裁のモハメド・ビン・スライエムは「2025年にパラグアイをWRCに迎えることは、シリーズやすべての関係者にとって新たな地平を切り開く素晴らしい機会となる。ラリーの発展に尽力してくれたツーリング・クラブ・パラグアイの会長である私の友人、ウーゴ・R・メルサン・ガリと彼のチーム、ラリーパラグアイの主催者、そしてかけがえのない支援を行ってくださったペニャ大統領に心から感謝したい」と語る。

ラリーパラグアイは、パラナ川に面した南東部の観光都市エンカルナシオンを拠点とし、川の対岸はアルゼンチン。ブラジル、ウルグアイとも近く、南米大陸から大勢のファンが訪れることが見込まれる。ステージは、毎年コダスール南米ラリー選手権を開催しているイタプア地方の赤いグラベル路に設定され、壮大なパラナ川に沿って走る。
なお、正式な開催日程は後日発表される