ドイツ1部のマインツが鹿島の日本代表MF佐野海舟(23)の獲得に乗り出していることが22日、分かった。複数の関係者によると、既に今夏の完全移籍での獲得に向けた正式オファーを出したという。 佐野はボール奪取力に秀でるボランチで、2019年に…

 ドイツ1部のマインツが鹿島の日本代表MF佐野海舟(23)の獲得に乗り出していることが22日、分かった。複数の関係者によると、既に今夏の完全移籍での獲得に向けた正式オファーを出したという。

 佐野はボール奪取力に秀でるボランチで、2019年に米子北高(鳥取)から当時J2の町田に加入。2年目の20年に41試合に出場して頭角を現し、23年に鹿島移籍した。今季は18試合に出場し、好調のチームをけん引している。

 日本代表では昨年11月のW杯2次予選ミャンマー戦でA代表デビューを果たし、今年1月のアジア杯でもメンバー入り。森保一監督(55)も「守備能力が非常に高く、ボールの奪い合いを制して攻撃につなげるところに長所がある」と高く評価している。一方で今月行われたW杯2次予選ではメンバーから落選し、佐野自身もステップアップを目指し、欧州挑戦への意欲を強く持っている。昨冬もドイツ1部ブレーメンなど複数の欧州クラブが獲得を狙うなど、欧州の移籍市場で最も注目されるJリーガーの一人に挙げられる。

 マインツは2008~09年シーズンから1部に在籍している中堅クラブで、昨季はリーグ13位。1年間で2度の監督交代を行う不本意なシーズンを送っており、立て直しに向けて佐野獲得に動いた。過去には、今夏で現役を引退した元日本代表FW岡崎慎司氏、FW武藤嘉紀(現神戸)が在籍し、ともにレギュラーとして活躍。岡崎氏はイングランド・プレミアリーグのレスター、武藤は同リーグのニューカッスルにステップアップした。

 ◆マインツ 1905年創設。プファルツ州マインツに本拠地を置くドイツ1部の中堅クラブ。2003~04年シーズンにクラブ初の1部昇格。過去最高成績は15~16年シーズンの6位。日本人選手では13~15年にFW岡崎慎司、15~18年にFW武藤嘉紀が在籍。現在の監督はデンマーク出身のヘンリクセン氏(49)。昨季はリーグ13位。

 ◆佐野 海舟(さの・かいしゅう)2000年12月30日、岡山・津山市生まれ。23歳。米子北高で1年時からレギュラーとして活躍し、19年に町田加入。23年に鹿島入りした。弟の航大はパリ五輪代表候補で、オランダ1部NECに所属している。名前の「海舟」は江戸時代の幕臣・勝海舟に由来。176センチ、67キロ。右利き。