主力を温存させ、若手中心で日本に挑んだ中国。この蔡斌総監督の決断は波紋を呼んだ。(C)Getty Images  日本の快勝に対する衝撃が広まっている。 現地時間6月20日、 バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)…

 

主力を温存させ、若手中心で日本に挑んだ中国。この蔡斌総監督の決断は波紋を呼んだ。(C)Getty Images

 

 日本の快勝に対する衝撃が広まっている。

 現地時間6月20日、 バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)は、タイの首都バンコクで女子ファイナルラウンドの準々決勝が開催され、世界6位の中国と対戦した同7位の日本は、セットカウント3-0でストレート勝ち。3大会ぶりの準決勝進出を決めた。

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 第1セットを幸先よく25-21でもぎ取った日本は、主将の古賀紗理那がチームトップの22得点、石川真佑が14得点と躍動。全セットで両チームが20得点以上を挙げる接戦となったが、最後は中国の猛追を危なげなくかわした。

 日本の洗練された動きが光った一戦にあって、完敗を喫した中国のチーム構成は母国で批判の的となっている。というのも、彼女たちは今大会決勝ラウンドで主力を国内合宿に向かわせて“温存”。経験の浅い若手を中心に挑んでいたのだ。

 もっとも、狙いは明確だ。チーム力の底上げである。予選ラウンドまでの世界ランクが五輪1次リーグの組み合わせに影響するために主力を出さざるを得なかったが、ファイナルラウンドは関係がなくなるため、若手に経験の場を踏ませるのは将来を見据えたプランと言える。実際、ベンチ入りをしなかった蔡斌総監督は、中国メディア『澎湃新聞』で「主力は帰国して調整し、若い選手をハイレベルの試合で鍛える。これは、パリ五輪に備えた措置だ」と断言している。

 ただ、アジアの覇権を争ってきたライバルに一方的に敗れた結果を受け、国内メディアからは“逆風”が強まっている。

 中国メディア『捜狐』の取材に応じた元同国代表のエースだった恵若琪氏は「全力だった日本に対処するために疲れ果てていた。主導権を握る能力を持ってすらいない」と糾弾。その上でいわゆるセカンドチームで挑ませた首脳陣に対して「対応力は明らかに不足していたし、日本戦となるとこれは3連敗です。これはとても恥ずかしいことです。控え組や若手の実力は明らかに足りていない」と断じた。

 2016年のリオ・デ・ジャネイロ五輪で金メダルを獲得したチームの主軸だったレジェンドの言葉を伝えた『捜狐』も「今回のチームにとっては絶望的な結果と言える。2軍メンバーとはいえ、日本との力の差は歴然だった」と叱咤している。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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