今週は京都競馬場で宝塚記念(芝2200m)が行われる。今年は京都開催で迎える一戦。週末の雨予報も予想の難易度をさらに押し上げるものとなりそうだ。 ここでは、過去10年からジャスティンパレスとドウデュースにフォーカスしたデータを取り上げる。 …

今週は京都競馬場で宝塚記念(芝2200m)が行われる。今年は京都開催で迎える一戦。週末の雨予報も予想の難易度をさらに押し上げるものとなりそうだ。

ここでは、過去10年からジャスティンパレスとドウデュースにフォーカスしたデータを取り上げる。

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■ジャスティンパレスを後押しする「3.0.2.1」

3歳クラシックこそ無冠に終わったものの、4歳シーズンに本格化。天皇賞・春勝利を皮切りにトップグループの仲間入りをはたしたのがジャスティンパレスだ。不得手な関東圏、初の海外遠征の近2走は情状酌量の余地あり。走り慣れた地元・関西圏なら……そう願うファンの背中を後押しするデータがこちら。

・古馬GIで上がり3F最速かつ2着に0秒4差勝利あり【3.0.2.1】

唯一の馬券外はゴールドシップが“伝説の大出遅れ”をかました宝塚記念2015に限定。上記データを満たす馬は相当な強さがあるゆえ人気を背負うのは仕方ないが、それでも馬券内率83%はハイアベレージといって差しつかえないだろう。

ジャスティンパレスについて補足すると、C.ルメール騎乗時の成績【4.0.0.0】、関西圏の成績【3.0.2.0】など、さきほど記したデータ以外にも“鉄板級”と言える数字がズラリと並ぶ。これまで挙げた5勝の上がり3Fはすべて34秒台以上かつ稍重の天皇賞・春も含まれており、雨で時計のかかる馬場想定の日曜京都芝も歓迎。待ちに待った京都芝外回りで臨む今回、主役の座は譲れない。

■ドウデュースに【0.1.0.7】の壁出現

その一方で、同じ5歳世代のドウデュースは不安ありと言わざるを得ない。昨年の有馬記念勝ち馬が挑むグランプリ連覇。勝負付けが済んだと思われる国内のメンバー相手なら断然と言いたいところだが……ここで大きな壁となるのはローテーションだ。

・前走芝1800m以下から臨む牡馬【0.1.0.7】

上記データ該当馬の勝利はなし。このなかにはドバイターフを逃げ切ったパンサラッサも含まれており、まさに鬼門データと言えるだろう。宝塚記念における前走芝1800m以下から臨む牡馬は“アタマ妙味ゼロ”と言い切れるほど悲惨な成績だ。

改めて昨年の成績を振り返ると、阪神芝2200mで施行された京都記念は格の違いを示すひとマクリで楽勝。その後休養を挟み、直線の長い東京芝2戦(天皇賞・秋、ジャパンC)馬券外を経て臨んだ有馬記念でまたしてもマクリ差しを決めている。にわかに浮上する直線の長いコースへの不安……いまのドウデュースのベスト条件が小回りコースと仮定したとき、雨で切れ味が削がれる可能性が高い日曜京都芝の外回りは凡走の危険性がはらんだシチュエーションと言えるだろう。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。