宝塚記念に「荒れないGI」のイメージがあるだろうか。18年に3連単49万円、20年に同じく18万円の高配当が出たように、決して波乱がないわけではない。しかし、勝ち馬に限っていえば、超伏兵の出番がないGIといえるのだ。  データを紹介しよ…

 宝塚記念に「荒れないGI」のイメージがあるだろうか。18年に3連単49万円、20年に同じく18万円の高配当が出たように、決して波乱がないわけではない。しかし、勝ち馬に限っていえば、超伏兵の出番がないGIといえるのだ。

 データを紹介しよう。グレード制が導入された84年以降に限ると、単勝の最高配当は05年のスイープトウショウの3850円。単勝40倍以上の馬は延べ225頭が出走し、93年のイクノディクタス、98年のステイゴールド、06年のナリタセンチュリー、13年のダノンバラード、14年のカレンミロティック、そして昨年のスルーセブンシーズと2着は6回あるものの、未勝利に終わっている。

 ちなみにこの宝塚記念の6回の勝ち馬を見ると、1番人気が5頭、2番人気が1頭。したがって逆に言えば、1番人気をアタマで買う場合、単勝40倍以上の馬を2着欄にマークするのは有効な手といえるかもしれない。

 ほかのGIを見てみると、日本ダービーのロジャーバローズ(93.1倍)や有馬記念のダイユウサク(137.9倍)など長い歴史のなかでは荒れるレースが1つや2つあるのがほとんど。ジャパンカップでもスクリーンヒーロー(41.0倍)をはじめ2度40倍を超える配当が出ている。

 さて、今年はどうだろうか。ドウデュースにジャスティンパレス、ベラジオオペラと強豪が顔を揃えた上に、紛れの少ない少頭数とあって、伏兵の出番はなさそうに思える。しかし、今春のGIではヴィクトリアマイルを単勝200倍超のテンハッピーローズが制したのを筆頭に、フェブラリーSのペプチドナイル、日本ダービーのダノンデサイルなど、何度も波乱があった。この流れなら、春のグランプリでもアッと驚く結末があるかも。まだ馬券の発売前ではあるが、カラテやヤマニンサンパといった伏兵陣の走りにも注目してみたい。