セレッソ大阪のFW渡辺りょう(27)が、22日のジュビロ磐田戦(ヤマハ)で恩返しの活躍を誓った。19日、大阪市内での公開練習後に取材に応じた。J2藤枝MYFCから昨年7月、C大阪に引き抜かれる形で完全移籍。その前のJ3アスルクラロ沼津時代を…

セレッソ大阪のFW渡辺りょう(27)が、22日のジュビロ磐田戦(ヤマハ)で恩返しの活躍を誓った。19日、大阪市内での公開練習後に取材に応じた。

J2藤枝MYFCから昨年7月、C大阪に引き抜かれる形で完全移籍。その前のJ3アスルクラロ沼津時代を含め、計4年半も静岡のクラブに在籍。今回は初めてJ1の選手として、静岡に凱旋(がいせん)する。

当時の関係者からは最近になり、多くの連絡をもらったという。言葉こそ出さないが、狙うのは勝利と今季初得点だ。

「(関係者が)気にかけて見に来てくれるかもしれないので、そういう人に、活躍している姿を見せるのがプロだと思う。まずはベンチメンバー18人に入り、試合に出たい」

初挑戦となった昨季のJ1では7試合1得点。最終盤にけがが重なり、今季も調子が上がらずに、リーグ戦はここまで2試合計8分に出場しただけ。

だが、6月12日の天皇杯2回戦ジェイリースFC(九州リーグ)戦で今季公式戦初得点をマークし、チャンスをつかんだ。出番はなかったものの、同15日の浦和レッズとのリーグ戦で約2カ月半ぶりにベンチ入り。その流れで今回の磐田戦を迎える。

「(移籍後は)静岡で初めての試合になるんで、ちょっと変な感じ。ただ、磐田との試合は昨年、結果は負けたが、それがきっかけでこのチームにこられた。僕個人としては、どの試合も大事だが、連勝できるようにしたい」

昨年5月に行われた藤枝と磐田のJ2リーグ戦で、0-1で敗れたものの、先発した渡辺のプレーがC大阪側の目に留まり、移籍が実現した経緯がある。

C大阪では現在、13ゴールで得点ランキング首位のFWレオ・セアラ(29)がいるため、渡辺のリーグ戦での先発は難しいが、優れたゴール感覚と前線からの激しいプレスによる守備は証明済み。活躍次第で再び、磐田戦で自らの運命を切り開くことは可能だ。

「磐田はポテンシャルの高い選手が多い。組織的に戦ってくるチームに違いない。いい準備をして臨みたい」

C大阪で台頭が待たれる日本人エースの座に、渡辺が近づけるか注目される。

◆渡辺(わたなべ)りょう 1996年(平8)10月25日、東京都生まれ。東京・高輪高から産業能率大を経て19年J3沼津入団。22年7月に当時J3の藤枝に移籍し、23年からJ2へ昇格。同年26試合13得点の実力が認められて、C大阪へ移籍。J1通算9試合1得点。179センチ、71キロ。