【青森】(春季東北大会決勝 弘前学院聖愛2―3花巻東) 弘前学院聖愛の背番号は、希望する選手の立候補で決まる。同じ番号に2人以上が手を挙げた場合は、部員の多数決で最適の1人を選ぶ。 エースナンバーも例外ではない。春の県大会前、「1」は複数…

 【青森】(春季東北大会決勝 弘前学院聖愛2―3花巻東)

 弘前学院聖愛の背番号は、希望する選手の立候補で決まる。同じ番号に2人以上が手を挙げた場合は、部員の多数決で最適の1人を選ぶ。

 エースナンバーも例外ではない。春の県大会前、「1」は複数の投手が希望した。吹田志道(しどう)投手(3年)は、多数決で2年生に敗れた。「自分は信頼されていないのか」。右ひじを痛めていたとはいえ、悔しかった。

 野球に向かう姿勢を見直した。冷静な投球を心がけ、グラウンドのゴミ拾いもするようになった。県大会では速球と変化球の切れを生かして好投。東北大会は「1」をつかんだ。この日の決勝、本領を発揮した。

 相手は岩手1位の花巻東。しかし、ひるまない。打者の手元で落ちる球を駆使し、七回までは三塁を踏ませず、無失点に抑えた。

 十回に適時打を打たれてサヨナラ負けを喫したが、大黒柱と呼ぶにふさわしい粘投。信頼を取り戻したと言っていい。

 それでも自己評価は厳しめだ。「自分が投げる試合は、0点に抑えなければ。チームを勝たせられるように、一から練習していく」

 夏の頂点に向かって、グッと気を引き締めた。(渡部耕平)