高校野球の発展と育成に尽くした指導者を日本高校野球連盟と朝日新聞社が表彰する今年度の「育成功労賞」に、佐土原など宮崎県立高校4校で監督を務めた西田博志さん(67)が選ばれた。プロ野球東京ヤクルトスワローズの元投手、七條祐樹さんらを育てた。…

 高校野球の発展と育成に尽くした指導者を日本高校野球連盟と朝日新聞社が表彰する今年度の「育成功労賞」に、佐土原など宮崎県立高校4校で監督を務めた西田博志さん(67)が選ばれた。プロ野球東京ヤクルトスワローズの元投手、七條祐樹さんらを育てた。

 西都市出身。高校時代は妻で投手だった。1983年の日向工を皮切りに通算33年8カ月間にわたって野球部を指導。2002年の春の選抜では延岡工を率いて出場し、1勝をあげた。

 当時のエースが、社会人野球を経てヤクルトに進んだ七條さんだった。「チームワークが良くて、自分たちでチームを作っていく。できなかったことがどんどんできるようになった」と西田さん。この時の経験をきっかけに、選手の個性や力を伸ばしてチームワークを育む指導に尽くした。

 野球は点を取りたくても、サッカーやバスケットボールのように、エースにボールを集めることができない。だから、一人でサボったり、集中していなかったりしたときだけは「チームに影響がある。好きな野球なら、大事にやりなさい」と怒ったという。

 現在は都城工の臨時講師。野球部を離れ、授業の合間などには花壇の手入れに励む。

 「野球は、やればできる、やらなかったら絶対できないと感じられる競技。せっかく巡り合えたら、真摯(しんし)に取り組むといいものが見られるかもしれない。自分では気づかない可能性がどんどん伸びていくから」。球児にメッセージを贈った。(中島健)