ERC第3戦ロイヤル・ラリーオブスカンジナビア(グラベル)が6月13日〜16日、スウェーデンのカールスタッドを拠点に開催され、地元スウェーデンのオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、ERC屈指の高速グラベルイベントで圧勝…

ERC第3戦ロイヤル・ラリーオブスカンジナビア(グラベル)が6月13日〜16日、スウェーデンのカールスタッドを拠点に開催され、地元スウェーデンのオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、ERC屈指の高速グラベルイベントで圧勝を飾った。

現在22歳のソルベルグは、昨年王者のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)に3.3秒差をつけての首位で最終日を迎えた。しかし、パッドンが午前のループで「フィーリングもグリップも感じられず、気合いが緩んだ」と戸惑いを見せる一方で、ソルベルグは一気にチャージ。午前に設定した4SSをすべてベストタイムで並べ、リードを13.7秒に拡大、午後の2ループ目も最終パワーステージも含めてすべてを制した。最終的に38.0秒と大差をつけてイベント連覇を果たしている。





「前日はあまり満足のいく走りができなかったが、今日はフィーリングが良くなり、マシンも道と相性が良かったのでいい自信がつかめた」とソルベルグ。
「ここの道ではマシンがすごくスライドするが、今日野道は広くマージンも多いので、いいスピードが出せるし、すごく楽しい。でも、昨日は僅差だったし、自分的には今回のレベルはWRC2よりも格段に高かった。本当に接戦でクレイジーだし、素晴らしかったよ」

2023年のERCチャンピオン、パッドンは、終盤にダメージを負い3位でのフィニッシュとなったが、今季初めてポディウムに上がった。また、パワーステージでマシュー・フランチェスキがクラッシュアウトしたことで、ポイント争いではフランチェスキとタイの56ポイントで首位に立った。

「オリバーは素晴らしい走りをしたし、それに対応できなかった」と語るパッドン。
「もっといい結果を期待していたから、悔しいね。ほかは速くなっているなか、自分たちのパッケージはちょっと限界が見えてきている。このラリーに向けて改良を施してきたが、今日の午前のようにグリップレベルが低いとすごく苦戦するし、争うことができなくなる」





開幕戦のラリーハンガリーをリタイアしているミッコ・ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2)は、SS15でポップオフバルブのトラブルに見舞われたほか、続くSS16でもジャンクションで膨らみ、フランチェスキに3.8秒差まで迫られていた。しかし、フランチェスキの脱落とパッドンの後退により、2位でのフィニッシュを決めた。





世界ラリークロス選手権チャンピオンのヨハン・クリストファーソンは、シーズン開幕を前に母国のERCラリーに登場。フォルクスワーゲン・ポロGTI R5で11位でフィニッシュした。





一方、2003年のWRCチャンピオン、ペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は、2019年以来の国際格式ラリーの参戦。SS1では、ハンドブレーキをリリースした後にオイル漏れで出火するというハプニングに見舞われたが、ボランティアのマーシャルが消火して事なきを得た。その後は、ステアリングラックのトラブルを抱えての15位フィニッシュとなったが、息子とともにイベントを盛り上げた。





ERC3はフリップ・コーン(フォード・フィエスタ・ラリー3)、ジュニアERCはミーレ・ヨハンソン(オペル・コルサ・ラリー4)がトップフィニッシュを飾った。

今季創設されたタイヤサプライヤー選手権では、3戦を終えてミシュランが151ポイント、ピレリが131ポイント、MRFが90ポイント、ハンコックが56ポイントとなっている。

ERCスカンジナビア 最終結果
1 O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) 1:32:40.8
2 M.ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +38.0
3 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) +51.0
4 F.ローレ・ラールセン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +1:28.7
5 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +1:33.8
6 M.セスク(トヨタGRヤリス・ラリー2) +1:41.7
7 I.レイエルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +1:52.0
8 M.マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:09.7