窮地でもマイペースを貫き、クレバーに振舞った今永。(C)Getty Images 一打逆転の窮地でも“マイペース”を貫いた日本人左腕に称賛が止まらない。 現地時間6月15日に本拠地で行われたカージナルス戦に先発登板した今永昇太(カブ…

窮地でもマイペースを貫き、クレバーに振舞った今永。(C)Getty Images

 一打逆転の窮地でも“マイペース”を貫いた日本人左腕に称賛が止まらない。

 現地時間6月15日に本拠地で行われたカージナルス戦に先発登板した今永昇太(カブス)は、7回(103球)を投げ、被安打4、1失点と好投。今季7勝目をマークした。

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 この試合で最大の見せ場となったのは、7回2死一、二塁で迎えたブレンダン・ドノバンとの対決だ。カブスが1点をリードしたひりつく局面で7球も粘られた今永だったが、カウント2-2からの8球目に投じた84.1マイル(約135.3キロ)のスイーパーで空振り三振。マウンドで2度、3度とガッツポーズを披露した30歳の左腕には熱狂的なホームファンから万雷の拍手が送られた。

 まさに熱投でチームの勝利を手繰り寄せた今永。しかし、彼の試合後の感想は意外なものだった。会見で7回に迎えたピンチでの心境を問われると、「お腹減っていたんで、ちゃんとこういう栄養素を摂ろうとかそういうことを考えていました。これは本当です」と吐露。これを聞いた女房役のヤン・ゴームズが「なんだって!? マジで言っていたの?」と苦笑いを浮かべるしかない“笑撃”の一言を放ったのである。

 ピンチの場面でもクレバーに頭を働かせていた。今永の「お腹減った」発言は現地記者陣の笑いを誘ったわけだが、カブスのOBは「人格も含めて最高じゃないか」と高評価を下している。

 MLB通算233本塁打を記録した強打者でもあったクリフ・フロイド氏は、試合中継を行なっていた地元スポーツ専門局『Marquee Sports Network』の番組内で、惜しみない賛辞を寄せた。

「彼は単に行動で示すだけじゃない。本当に成功に飢えている感じがするね。ああいう姿勢はちゃんと評価すべきだ。ショウタは常に冷静を保ち、物事を軽やかに捉えている。彼のああいう態度こそ契約が正当化されるべき理由だ。もちろんピッチングで悪い流れを断ち切ることもしてくれる。本当に素晴らしいと思う。彼は間違いなくスターだ」

 グラウンド内外での行動でファンや識者のハートを鷲掴みしている今永。捲土重来を期する名門にあって、その存在価値は高まる一方だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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