勝負強さを発揮した小郷をMVPに推す声は多い(C)産経新聞社 今季のセ、パ交流戦は6月16日、雨天順延分となる18日の阪神-日本ハム戦(甲子園)1試合を残して、全日程をほぼ終了した。球団創立20周年の楽天が、13勝5敗で初優勝。賞金…

勝負強さを発揮した小郷をMVPに推す声は多い(C)産経新聞社

 今季のセ、パ交流戦は6月16日、雨天順延分となる18日の阪神-日本ハム戦(甲子園)1試合を残して、全日程をほぼ終了した。球団創立20周年の楽天が、13勝5敗で初優勝。賞金3000万円を獲得した。

【動画】9回2死から起死回生の一発!小郷裕哉が阪神・岩崎から逆転2ランを放ったシーン

 優勝チームが決まり、ファンの興味が移るのは個人表彰だ。全日程を完全終了後に発表されるが、12球団で最も活躍した選手1人が賞金200万円のMVPに。それ以外に両リーグから1人ずつ、賞金100万円の優秀選手賞が選出される。

 レギュラーシーズンであれば、チームの白星への貢献度が最も高く評価され、優勝チームからの選出が多い。だが、短期決戦の交流戦に関してはそうとも限らない。

 実際に昨年はDeNAがTQB決着という僅差で初優勝を果たしたが、MVPには最後まで優勝を争った巨人の岡本和真が選ばれた。他にも2018年にヤクルトが優勝し、MVPはオリックスの吉田正尚が輝いており、過去18度の交流戦で2度ほど優勝チーム以外からMVPが選出されている。

 SNS上では、優勝した楽天からは小郷裕哉を推す声が目立つ。5日の甲子園での阪神戦では、1点ビハインドの9回2死二塁、「あと1人」コールを切り裂く起死回生の逆転2ラン。8日の中日戦では満塁本塁打を放ち、11日の巨人戦でサヨナラ打など、ファンの記憶に残る活躍が続いた。交流戦を通じて打率.247ながら、2本塁打13打点のインパクトは絶大だ。

 楽天投手陣では、3戦3勝、防御率1.56の藤井聖が光る。3勝は両リーグトップ。また勝ち星は1勝止まりながら、早川は3試合23回を投げ、自責点はわずか1。防御率0.39で、最終的にチームは敗れてしまったものの、14日広島戦での10回117球、4安打無失点、11奪三振の力投は記憶に新しい。

 他球団からは、その試合で早川と投げ合い、7回無失点と譲らず力投した広島・大瀬良大地を支持するファンが多い印象だ。7日のロッテ戦では自身初のノーヒットノーランを達成。5月31日のソフトバンク戦も7回1失点、自責点は0という好投で、3試合23回を投げて両リーグ唯一の防御率0.00で交流戦を終えた。

 チームは低迷したが、阪神・才木浩人の存在感も光った。藤井と同じく3戦3勝。6月2日のロッテ戦で完封勝利を飾ると、9日の西武戦は8回1死までノーヒット投球で結果的に8回無失点。16日のソフトバンク戦は7回に1点を失い、リーグ戦からの連続無失点は35回1/3で途切れたが、防御率0.38でフィニュッシュした。

 打者ではオフに現役ドラフトでソフトバンクから日本ハムに移籍した水谷瞬が覚醒し、打率.443、3本塁打、13打点と3部門とも高い数字を残した。最終戦前まで同率首位に立ちながら、惜しくも優勝を逃したソフトバンクの近藤健介も、打率.356、4本塁打、14打点と結果を残している。

 果たして交流戦MVPの栄誉は、誰に輝くのか。優勝争いの行方は決着したが、両リーグ戦再開までのつかの間、SNS上ではファンによる議論が尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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