高校生世代の日本・韓国・中国のスポーツ交流競技会「第25回 日・韓・中ジュニア交流競技会」が8月24日に茨城県水戸市サッカー・ラグビー場で始まった。ラグビーは、地元の茨城県選抜を加えた4チームが参加する。 初日開幕戦はU17日本代表とU1…

 高校生世代の日本・韓国・中国のスポーツ交流競技会「第25回 日・韓・中ジュニア交流競技会」が8月24日に茨城県水戸市サッカー・ラグビー場で始まった。ラグビーは、地元の茨城県選抜を加えた4チームが参加する。
 初日開幕戦はU17日本代表とU18韓国代表(ミョンソク高が単独で参加)が対戦した。前半から日本が猛攻で計17トライ、守っても韓国をゼロ封の113-0で圧勝した。

 前半いきなり日本が見せた。韓国のキックオフを自陣から展開し、左WTB笠原浩史(同志社高)が左中間へ先制トライを奪った。ゴールも笠原自身が決めて7-0。韓国のアタックもあるがノックオンなどで自滅する。8分には韓国陣10メートルのスクラムから日本が右へ動く。FB小泉怜史(早稲田実)が続くファイブポインターとなる。3分後にはCTB槇瑛人(國學院久我山)が仕留めた。さらに15分には韓国陣スクラムからNO8高武俊輔(尾道)が持ち出すと韓国ディフェンスの穴をつき、4本目のトライで26-0、試合を決める。24分はWTB笠原、28分にはCTB槇が連続でインゴールへ運び、前半だけで6トライ、38-0で折り返した。

 後半も笠原が見せた。キックオフボールを確保し韓国ゴール前のラックからもらうと、連続でキックオフのノーホイッスルトライを45秒で奪った。
 これで韓国の気持ちが切れた。SO高本幹也(大阪桐蔭)がリスタートから2トライなど、実にリスタートからのノーホイッスルトライを5つ奪うなどして、後半は11トライで75点を加点、113-0で初陣を飾った。

 笠原は「(前後半開始ノーホイッスルトライは)みんなでつなげてくれたもので必ず取ろうと思っていた。自分たちのスタイルが出せた」と笑顔だった。
 浅野良太監督も「今日のゲームプランは圧倒して勝つこと。相手に関係なく自分たちのラグビーをすることができた」。バックス陣がトライを量産したことは「選手は6日間の合宿でしたが個人スキルよりもボールをつないでいくことで生まれた」と評価した。

 敗れた韓国(ミョンソク高)の金泳男(キム・ヨンナム)コーチは「全然だめでした。7月の国内大会(準優勝)で1番、4番、5番、10番がケガをして出場できない」。この主力メンバーは今年2月、流経大で合宿した際に、東京高、流経大柏高、茗溪学園高などと接戦を演じていた。さらにきょうはPR3番がスクラムで首を痛め、後半はスクラムを押さないノーコンテストで実施。今季これまで国内2冠に貢献してきたメンバーだけにケガは残念。

 第2試合は後半、茨城県選抜が逆転で29-22とU18中国代表を下した。
 試合は前半から中国の個人突破が茨城ディフェンス網を破り前進した。PGで中国が先制した後、13分には自陣スクラムからつなぎLOチョー・チンショが中央にトライを奪い(ゴール成功)、10-0と差を広げた。
 茨城は前半24分に1トライ返すと、終了間際に中国ゴール前左ラインアウトからモールを組み前進、ラックを作るとFL江波戸七央(茗渓学園)が逆転トライ(ゴール成功)、14-10で前半を終えた。
 後半、あきらめない中国がNO8リ・カイタオらのランでチャンスを得る。11分、右ラインアウト、モールを押し込み15-14と中国が逆転。しかし茨城は24分に再度逆転し、PGで3点を加えた。中国も試合終了間際に茨城ゴール前でペナルティを得ると1トライを返し、終了した。

 中国は今回、北京市と山東省にある5つの体育学校から選手22名を選抜した。ふだんは7人制ラグビーが中心、15人制メンバーは2か月間事前練習を重ねてきた、という。チャン・シュンメン監督は「今日はミスが多く自分たちのラグビーができなかった。日本戦は選手の経験の差があるが、スピードがあるラグビーで戦いたい」と話した。
 大会は26日にU18韓国代表×U18中国代表、最終日の27日はU17日本代表×U18中国代表、U18韓国代表×茨城県選抜をおこなう。(文:見明亨徳)