第29回マーメイドS(16日/GIII、京都芝2000m)には、福永祐一厩舎の管理馬で川田騎手が手綱を取るエーデルブルーメ、西塚騎手で人馬とも重賞初Vを目指すホールネス、重賞連勝を狙うコスタボニータらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ホールネス」を取り上げる。

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■ホールネス

【中間調整】アイルランド生産のマル外馬で、父は仏ダービーにあたるジョッケクルブ賞勝ち馬ロペデヴェガだ。体質に弱さがあったようでデビューは3歳4月。新馬戦は終わっており、既走馬相手の未勝利戦でアタマ差2着だった。そこからは未勝利戦、1勝クラス、そして前走の2勝クラスと休みを大きく取りつつ3連勝。前走時で524キロと大型な馬だが、近2走いずれも休み明けでポン駆けできているあたりポテンシャルは相当高そうだ。

前走後はまたひと息入れて、軽ハンデで走れるマーメイドSで初の重賞へ挑むことに。5月上旬から坂路とCW併用でじっくり時間を掛けて乗り込まれており、基礎固めが進んでいる。レースが近づいた1週前追いは疲労を残さないよう負荷の少ない芝コースで単走。芝で見栄えがするのを差し引いても、伸びやかに体を使えており、大型馬の久々をまったく感じさせない。

【最終追い切り】1週前追いで猛時計を出しており、レース当週は芝コース終い重点で不動の主戦・西塚騎手との意思疎通を深めるような内容となった。序盤はリズム重視で入り、直線半ばから促されると1週前以上に体を大きく使って鋭く加速した。

【見解】じっくり手元に置いて乗り込まれており、名門・藤原厩舎がこの馬に懸ける期待はかなり大きそう。近2走は1週前CW→最終芝という調整で来ていたが、今回は2週前CW→1週前芝→最終芝。パターンチェンジがどうかも、今回は調整が順調ゆえCWで負荷を掛ける段階が早めに終わり、芝での微調整により時間を割けた……といい方に解釈できる。

西塚騎手にとっては昨年急遽鞍上に指名されたゴールドエクリプスをうまく導けず、4着止まりだった悔しい思いが残るレース。デビュー戦から手綱を託されたホールネスとのコンビで、昨年のリベンジに挑む。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。