日本企業で女性役員の登用が遅れるなか、スポーツの世界では改善にむけた取り組みが始まっている。男子プロバスケットボール「Bリーグ」の運営団体は昨年、15人の理事のほぼ半数を女性にした。望んだのは「女性のツッコミ」と話す島田慎二チェアマンに、…

 日本企業で女性役員の登用が遅れるなか、スポーツの世界では改善にむけた取り組みが始まっている。男子プロバスケットボール「Bリーグ」の運営団体は昨年、15人の理事のほぼ半数を女性にした。望んだのは「女性のツッコミ」と話す島田慎二チェアマンに、狙いと成果を聞いた。

 ――女性を2人から7人に増やした狙いは?

 「国際性や人材、メディアなど項目ごとに専門性を持った人を理事に迎えるタイミングで、女性を増やした。7人は社外理事で、上場企業の社外取締役のような役割だ。意識したのはダイバーシティー。Bリーグは女性ファンや親子連れが多い。顧客視点を考えれば、女性からのツッコミをいただくことが、リーグの発展に必要だと思った」

 ――女性によるツッコミである必要性は。

 「前提として、それぞれの専門知識に根ざした意見だから意味がある。同時に経験則で、女性理事は意欲的に試合を見たり勉強したりして、意見してくれる傾向がある。理事会はいますごく緊張感がある。『シャンシャン』で終わるのが嫌いなのでありがたい」

 ――女性優遇との批判を受けないか。

 「それは男性の意識の問題で、そもそも上から目線だ。何を大事にするかで決めているし、そういう意見に経営者が屈したらダメじゃないのかと思う」