【新潟】5月の大相撲夏場所で新十両昇進を決めた嘉陽(24)=本名、嘉陽快宗(やすとき)=が11日、母校の県立海洋高校(糸魚川市)を訪れ、同窓会から化粧まわしを贈られた。在校生のエールを受け「現状に満足せず、頑張って上を目指す」と力を込めた…

 【新潟】5月の大相撲夏場所で新十両昇進を決めた嘉陽(24)=本名、嘉陽快宗(やすとき)=が11日、母校の県立海洋高校(糸魚川市)を訪れ、同窓会から化粧まわしを贈られた。在校生のエールを受け「現状に満足せず、頑張って上を目指す」と力を込めた。

 嘉陽は沖縄県出身。親元を離れ、相撲が盛んな糸魚川市の能生中、海洋高を経て日体大へ進んだ。学生相撲選手権で個人ベスト8などの成績を残し、2022年の夏場所で角界デビューした。

 西の幕下筆頭で臨んだこの夏場所では、得意の突きや押しなどで5勝2敗と勝ち越し、十両昇進をつかんだ。

 同じ夏場所で史上最速の初優勝を飾った小結大の里(24)は、中学から大学までが一緒で1年後輩にあたる。入門したのも同じ二所ノ関部屋だったが、嘉陽は6月に同部屋から独立・新設された中村部屋に転属した。

 約250人の在校生や市民らが見守る中、中村親方と一緒に登壇した嘉陽は、海の青地に校章をあしらった化粧まわしを同窓会から贈呈された。

 式の前の会見では、糸魚川での6年間を振り返り「(大の里ら部員みんなで)きつい、きついと言いながら練習していた。あいさつとか言葉遣いとか、いろんなことをいっぱい教えてもらった」。

 その指導をした同校相撲部の田海哲也総監督は「(十両以上の)関取になれるのは力士のなかの一握り。中学では補欠にも入れなかったが、継続は力なり。高1の後半から頭角を現した。(持ち味の)敏捷(びんしょう)性や瞬発力でますます花開いてほしい」と期待した。同校出身の関取は嘉陽で5人目という。(北沢祐生)