(11日、プロ野球 オリックス・バファローズ4―0阪神タイガース) 第7戦までもつれた昨季の日本シリーズで、オリックスは阪神に屈した。そのときは登板機会のなかった左腕・曽谷龍平が、阪神打線から次々と三振を奪っていく。 1―0の六回は、2死…

 (11日、プロ野球 オリックス・バファローズ4―0阪神タイガース)

 第7戦までもつれた昨季の日本シリーズで、オリックスは阪神に屈した。そのときは登板機会のなかった左腕・曽谷龍平が、阪神打線から次々と三振を奪っていく。

 1―0の六回は、2死満塁のピンチでミエセスを迎えた。第1打席で安打を許した相手に臆することなく、力強い直球を投げ込む。最後は内角に食い込むスライダー。全く反応させず、見逃し三振に仕留めると、マウンドでほえた。

 1年半ほどのプロ生活で初の2桁となる12奪三振。自身の1試合最多を四つも更新した。球威がありながらも荒れ球にならず、若月健矢の構えたミットに投げ込む制球力があるからこそだ。

 「ゾーンの中でしっかり腕振って勝負できたかなと思います」と曽谷。6回を投げて無失点で交代するまで、四死球はゼロ。四球を出してからずるずる失点する、昨季のような姿はもうない。

 右腕のエスピノーザと並び、チーム最多の4勝目。エース宮城大弥がけがで、先発の柱と期待された4年目の山下舜平大が不調で離脱している中、投手陣を引っ張る存在となっている。「彼らの分ではないですけど、『早く帰って来いよ』って思って投げています」。そう語る23歳は頼もしい。

 これでチームは今季最長を更新する6連勝。いまだ下位争いに甘んじるが、ようやく明るい兆しが見えてきた。(高橋健人)

 中嶋監督(オ) 「本当にナイスゲームだったと思います。(先発の曽谷は)ゾーンでしっかり勝負できていた」