第72回NHK杯長崎県高校野球大会の決勝が9日、長崎市の県営球場であり、長崎日大が海星を延長十回タイブレークの末、2―1で破り、優勝を決めた。3位決定戦では創成館が九州文化学園を3―1で下した。大会結果は7月13日に開幕する第106回全国…

 第72回NHK杯長崎県高校野球大会の決勝が9日、長崎市の県営球場であり、長崎日大が海星を延長十回タイブレークの末、2―1で破り、優勝を決めた。3位決定戦では創成館が九州文化学園を3―1で下した。大会結果は7月13日に開幕する第106回全国高校野球選手権長崎大会のシード校を決める判断材料の一つになる。(天野光一)

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 長崎日大の渡辺登投手(3年)は打者1人分のリリーフを挟んだものの、ほぼ10回を投げ抜き、チームを勝利に導いた。打たせて取る投球が身上だが「まっすぐとスライダーが良くて強気に投球できた」という。

 圧巻だったのはタイブレークのため無死一、二塁で迎えた十回裏の投球。長崎日大は直前に犠飛で1点を取り、リードを奪ったばかりの緊張した場面だった。「内野ゴロでボールがぬれるので、雨で滑らないように注意した」とロージンを手にしながら慎重に投球。3者連続三振に打ち取った。

 「仲間が点を取ってくれたので、ギアを上げて投げようと思った」という。マウンドで仲間がいる後ろを振り返って呼吸を整えると、集中力が高まったと話す。

 海星は秋と春の九州地区高校野球県大会でも決勝で対戦した強敵。「海星に投げて勝ったというのは、夏に向けて大きな自信になった」と笑顔を見せた。

 長崎日大は主戦の西尾海純選手、最高144キロの速球を投げる三丸悠成選手に続いて、安定感ある投手が台頭した。平山清一郎監督は「渡辺は決勝に抜擢(ばってき)しましたが、緊迫した場面でも落ち着いて投げてくれた」と喜んでいた。(天野光一)