昨年10月からヨットで単独無寄港の世界一周に挑んでいた24歳が、和歌山県沖の紀伊水道を8日に通過し、ゴールした。約230日間、5万2千キロに及ぶ航海が終わった。　一般社団法人「関西ヨットクラブ」（兵庫県西宮市）によると、1994年に海洋冒…

　昨年10月からヨットで単独無寄港の世界一周に挑んでいた24歳が、和歌山県沖の紀伊水道を8日に通過し、ゴールした。約230日間、5万2千キロに及ぶ航海が終わった。

　一般社団法人「関西ヨットクラブ」（兵庫県西宮市）によると、1994年に海洋冒険家の白石康次郎さん（57）が26歳で果たした日本人最年少記録を更新したとみられるという。

　新たに世界一周を達成したのは、兵庫県西宮市在住の会社員、木村啓嗣（ひろつぐ）さん（24）。9日に同市の新西宮ヨットハーバーで開かれた式典で帰国を報告し「無事、世界一周して、戻ってこられたことを非常にうれしく思います」と喜びを語った。

　大分県出身の木村さんは、高校ヨット部で国体に出場するなど活躍後、白石さんのような世界一周を夢見ていたという。

　高校卒業後、海上自衛隊に入隊したが、夢を諦められず、約1年半で退官。大阪府高槻市の総合リサイクル会社「浜田」に就職し、同社のプロジェクトとして世界一周を目指していた。

　さまざまな準備を重ね、2022年に初挑戦したが、装置の故障でいったん中断。昨年10月22日、再び挑戦していた。

　今回は新西宮ヨットハーバーを出港後、太平洋を南下し、ハワイ付近を通過後、南米大陸やアフリカ大陸の最南端を回り、オーストラリア付近を北上した。

　寄港も補給もなく、航行は全長約12・5メートルのヨット「ミランダ号」の帆と風が頼り。事前に積み込んでいた食料でしのぎながら航海を続けた。