スキーンズ(右)の剛速球を打ち砕き、15号アーチとした大谷。その打力に驚きの声が上がった。(C)Getty Images「力と力(Big on Big)の対決と呼んでほしいね」 現地時間6月5日に米ピッツバーグで行われたドジャースと…

スキーンズ(右)の剛速球を打ち砕き、15号アーチとした大谷。その打力に驚きの声が上がった。(C)Getty Images

「力と力(Big on Big)の対決と呼んでほしいね」

 現地時間6月5日に米ピッツバーグで行われたドジャースとの一戦を終えたパイレーツの先発ポール・スキーンズは、相手主砲である大谷翔平との勝負をしみじみと振り返った。

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 昨年のドラフト前に“世代最強”と言われた大学時代に二刀流でプレーしていた彼にとって「憧れ」であったオオタニとの勝負は、この先も見たくなる真っ向勝負だった。

 5月11日に鳴り物入りでメジャーデビューを果たした“怪物”は、初回から臆せずに力勝負を挑んだ。初回、先頭のムーキー・ベッツを空振り三振に打ち取って上々の滑り出しを見せたスキーンズは、続く大谷に対して3球連続で100マイル(約160.9キロ)を超える4シームを投げ込み、いずれも空振りで三振に切って取る。

 一方で大谷もやられてばかりではなかった。第2打席にさすがの修正力を見せる。

 ここでもスキーンズの投じた剛速球を前に2球で追い込まれた大谷。しかし、その後に変化をつけるべく投じられたチェンジアップを見切り、フルカウントにまで持ち込むと、勝負の時は6球目だった。

 試合後に地元スポーツ専門局『Sports Net LA』で「スピードよりもアングルやリリースポイントの方が特徴的だった」と振り返った背番号17は、真ん中高めに伸び上がるような軌道を描いた100.1マイル(約161キロ)の4シームを強振。

 センター方向に高々と舞い上がった打球は、速度105.6マイル(約170キロ)でみるみるうちに飛距離を伸ばし、センターバックスクリーンに着弾。スキーンズにとってキャリアで初めて100マイル台のボールを打たれた瞬間でもあった。

 この時の大谷が、スキーンズの剛速球にどれだけアジャストしていたかは、何よりも数字が物語る。

 MLBのありとあらゆるデータをまとめているデビッド・アドラー記者によれば、大谷が6球目を捉えた際のバットスイングは、80マイル(約128.7キロ)。これはメジャー平均(72マイル=約115.8キロ)を8キロも上回る規格外のスピードを計測していたのだ。

 文字通りメジャー屈指のパワーで、渾身の一球を攻略されたスキーンズ。3勝目を手にした試合後のフラッシュインタビューで、こうも語っている。

「最初はうまく打ち取れたし、(第2打席も)いいボールだった。だけど、彼はマジでいい選手だから、あの球でもああいうことが起きるんだ。帽子を取って敬礼しなきゃいけない。率直に言って、こういう対戦のために(メジャーの)試合があるんだ。打たれたことは別に良かったというわけじゃないけど、それも試合の一部だ」

 至高の力を発揮しあった大谷とスキーンズ。両雄が紡ぐ「力と力(Big on Big)」の対決をあとどれぐらい見続けられるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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