バレーボールのネーションズリーグ(VNL)男子1次リーグ第2週が4日、北九州市の西日本総合展示場で始まり、世界ランキング4位の日本は同16位のイランに3―0で快勝し、4勝1敗とした。 今大会はパリ五輪出場権が懸かっているが、日本は既に出場…

 バレーボールのネーションズリーグ(VNL)男子1次リーグ第2週が4日、北九州市の西日本総合展示場で始まり、世界ランキング4位の日本は同16位のイランに3―0で快勝し、4勝1敗とした。

 今大会はパリ五輪出場権が懸かっているが、日本は既に出場を決めている。16カ国が争い、上位7チームと開催国ポーランドがファイナルラウンドに進む。日本の次戦は5日、ドイツと対戦する。

■そろった主役、チケット完売

 手拍子の度に、会場が揺れ動く。最高15万円の座席も含め、チケットは完売した。観客の視線を釘付けにしたのは、2人のエース。この試合から合流した、主将の石川祐希(ペルージャ)と高橋藍(サントリー)だ。

 第1セット序盤、相手のレシーブミスを高橋がダイレクトでたたき込むと、次は石川が強烈なバックアタックを決めた。連続得点で勢いに乗り、セットを先取。イランにストレートで勝利した。

 「まだ試合勘を取り戻していない」と石川が振り返れば、高橋も「コンビネーションはもっと合わさないといけない」。万全ではない中で違いを見せられるのは、普段から最高峰の環境でプレーしてきた成果だ。

 2人は4月まで、イタリア1部リーグのプレーオフを戦っていた。高橋はモンツァで2位、石川はミラノで3位。ともに世界に通用するアタッカーだと証明した。

 その2人がいなくても第1週を3勝1敗で乗り切ったのだから、日本の底力は上がっている。今大会は現在4位の世界ランキングを上位でキープし、パリ五輪の組み合わせ抽選を有利に。そして、決勝に進むことが目標だ。昨年のこの大会3位は、日本にとって主要国際大会で46年ぶりの表彰台だった。

 パリで、52年ぶりの五輪のメダル獲得、そして頂点へ。まだ見ぬ「ファイナル」の経験は事前に積んでおきたい。主役が出そろった日本の挑戦がいよいよ始まった。(加藤秀彬)