打った瞬間に確信めいた表情で打球を見つめる鈴木。(C)Getty Images 絶好機で飛び出した一発に、打った本人も思わず叫んだ。 現地時間6月1日に本拠地で行われたレッズ戦にカブスの鈴木誠也は「2番・右翼」で先発出場。2回に自身…

打った瞬間に確信めいた表情で打球を見つめる鈴木。(C)Getty Images

 絶好機で飛び出した一発に、打った本人も思わず叫んだ。

 現地時間6月1日に本拠地で行われたレッズ戦にカブスの鈴木誠也は「2番・右翼」で先発出場。2回に自身キャリア初となる満塁弾を放った。

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 気持ちのこもった打席だった。というのも、鈴木は2回表に2死満塁からルーク・マーリーの打ち上げた平凡なフライをまさかの落球。ボールの処理にまごつく間に3者が生還する凡ミスを犯していた。

 そうしたなかで迎えた直後の攻撃で“汚名返上”の絶好機が訪れる。2死満塁で打席に立った鈴木は、第1打席に三塁打を放っていた相手先発ハンター・グリーンと対峙。フルカウントからインコースに投じられた98.3マイル(約158.1キロ)の速球を強振すると、打球は瞬く間に飛距離を伸ばし、左翼スタンドに着弾した。

 手応えは十分だった。打った瞬間にバットを叩きつけた鈴木は「シャーッ!」と咆哮。一塁の走塁コーチャーと力強くハイタッチをし、興奮を抑えきれない様子だった。

 この試合前まで満塁時は通算で打率.211、OPS.568と芳しくなかった鈴木。しかし、自身のミスを帳消しにできる場面で奮起した形となった。

 球場を熱狂させた29歳の日本人スラッガーが放ったエキサイティングな一打に、現地メディアもクローズアップする。

 米スポーツ専門局『ESPN』のコメンタリーを務めるフェルナンド・アルバレス氏から「セイヤ・スズキの守備はメジャーレベルではない。信じられない」と皮肉られたミスを帳消しにした打撃について、米老舗誌『Sports Illustrated』のパトリック・アンデレス記者は「彼は恐ろしいエラーをしたが、直後にミスを取り消した」と絶賛。さらに「野球は素晴らしいスポーツだ。どんなにひどい失敗をしても、すぐに挽回できるチャンスがある」と続けた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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