第142回春季中国地区高校野球大会(中国地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は1日、広島県内で1回戦4試合があり、倉敷商(岡山)と広陵、海田、尾道(いずれも広島)が準決勝進出を決めた。倉敷商は着実に加点して崇徳(広島)を下した。広陵…

 第142回春季中国地区高校野球大会(中国地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は1日、広島県内で1回戦4試合があり、倉敷商(岡山)と広陵、海田、尾道(いずれも広島)が準決勝進出を決めた。倉敷商は着実に加点して崇徳(広島)を下した。広陵は鳥取城北(鳥取)に6点差から逆転勝ちし、海田は益田東(島根)に最終回で勝ち越した。尾道は序盤のリードで宇部鴻城(山口)から逃げ切った。2日は倉敷商―広陵、海田―尾道の準決勝が鶴岡一人記念球場(広島県呉市)である。

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 広島県大会で初の準優勝を果たした海田。中国大会でもその勢いを見せつけた。

 4―4で迎えた九回表、2死一塁。内谷治起(はるき)主将(3年)は、ひと呼吸おいて打席に入った。スタンドからは、県大会では聞こえなかった吹奏楽部の演奏。「盛り上がりを感じて、背中を押されました」

 初球は変化球を見逃してボール。次は直球だと狙いを定めた。想定通りの直球に出したバットは球の下をこすり、打球は左翼方向へ高く上がった。「レフトフライか……」。しかし、打球は左翼手の頭を越えて、一塁走者が一気に生還。適時二塁打となり、塁上で喜びを爆発させた。

 5番打者として主軸を担いつつ、チームを支える主将。平崎直樹監督も「誰よりも自分に厳しい。部員をしっかりまとめてくれている」と信頼を寄せる。躍進を続けるチームについて、内谷主将は「楽しく野球をしながら勝てている。雰囲気がとても良い」と話した。2日は、決勝進出をかけて尾道と対戦する。(根本快)