WRC第5戦ポルトガルで“プッシュして挑む”と臨んだ勝田貴元は、その狙いどおり好ペースを披露してラリーリーダーに。チームメイトのカッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジエに僅差で続く総合3番手で金曜日を終えたが、土曜日にリヤサスペンションを破…

WRC第5戦ポルトガルで“プッシュして挑む”と臨んだ勝田貴元は、その狙いどおり好ペースを披露してラリーリーダーに。チームメイトのカッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジエに僅差で続く総合3番手で金曜日を終えたが、土曜日にリヤサスペンションを破損し、その日の競技続行を諦めることとなった。勝田の戦いぶりは、チームを率いるヤリ-マティ・ラトバラの目にはどのように映っているのか。

──勝田選手が初優勝を遂げるためには、どのような点を改善する必要があると思いますか?
「タカがポルトガルの金曜日に見せたパフォーマンスは、とても優れたものだった。しかし、これからは土曜日の走りにも注意していかなくてはならない。金曜日の速さを維持していけば、日曜日にそれを持ち越すことができる。それは最も難しいことでもあるんだ。たとえば今日(ポルトガルの土曜日)のような状況で、僅差で接戦になっていると、ギリギリで戦っているドライバーたちには何かしらのミスが生じるものだ。それこそ、越えていかなくてはならないステップだ。決して容易なことではないけれどね。タカはこれまでもそれを意識してきたが、今のレベルであればスキル(技能)の問題ではなく、メンタル面での問題だ。自分自身にプレッシャーをかけすぎないことだ」

──勝田選手は自分にプレッシャーをかけることが多いように見えます。
「そうなんだ。だから、彼の肩からプレッシャーという荷を下ろそうと努力してきた。リラックスしていることが重要だ。そして楽しむことも忘れてはいけない。金曜日を楽しむことは知っている。でも考えすぎて、どのポジションでなければならないとか、自分自身にプレッシャーをかけるようになると、どうしても綻びが発生する。だからそのステップを越えることが重要になる。金曜日と土曜日に同じメンタルレベルで臨むこと。自分が何位で、何が可能かなどについて考えすぎないことが重要だ。目標が高い場所に設定されているからこそ、近道を探さないことだ。マインドはショートカットを求めることがあるからね」

──でも順調と言っていいですよね?
「順調に取り組めている。どんどん成長していると思うよ」
(Keiko Ito)