(28日、プロ野球 広島東洋カープ2―1オリックス・バファローズ) 広島は相手右腕の不安定な立ち上がりを見逃さなかった。 一回1死から、オリックス・エスピノーザの荒れ球を、野間峻祥と菊池涼介がしっかり見極め、続けて四球を選んだ。さらに2死…

 (28日、プロ野球 広島東洋カープ2―1オリックス・バファローズ)

 広島は相手右腕の不安定な立ち上がりを見逃さなかった。

 一回1死から、オリックス・エスピノーザの荒れ球を、野間峻祥と菊池涼介がしっかり見極め、続けて四球を選んだ。さらに2死一、三塁から、一塁走者・小園海斗が二盗を決めた。

 この好機を末包昇大が生かした。6球目の外角低めのカーブに柔らかくバットを合わせ、右前への先制の2点適時打。3球目でカーブを1球みて、「これだったら(打てる)と思った」。高い適応力を発揮した一打だった。

 1安打で2得点の効率の良い攻めで主導権を握り、逃げ切った。

 今月15日までの34試合で、チームは無得点が11試合もあった。

 「自分が我慢しないといけない」。そう話していた新井貴浩監督は毎日のように打順を組み替え、良い形を探していた。

 広角に打てる菊池を3番、俊足巧打の小園を4番、場面に応じた打撃ができる末包を5番にある程度、固定してから打線がつながった。

 直近のDeNA3連戦でそれぞれ5、9、4得点を奪って3連勝し、勢いよく交流戦を迎えていた。

 チームは4連勝で、試合が中止になった阪神の勝率を上回り、昨年7月以来のリーグ首位に躍り出た。

 それでも、新井監督は「まだ100試合ぐらいあるんでしょ。全然関係ないから」。

 目先の数字に一喜一憂せず、次をみる。その強さがいまの広島を支えている。(高橋健人)

 床田(広) 「守備のおかげですかね。あとはしっかりゴロを打たせられたのは大きかったと思います」

 エスピノーザ(オ) 「全体的には良い感覚で投げることができていたと思いますし、投げているボール自体も悪くなかったと思います」