あのとき、何を思い、試合に臨んでいたのか。時を経て対戦相手同士が語らう「After Game Talk」。第2回は、今春の選抜大会決勝で対戦した健大高崎(群馬)の主将・箱山遥人捕手、副将・高山裕次郎二塁手、報徳学園(兵庫)の主将・間木歩投…

 あのとき、何を思い、試合に臨んでいたのか。時を経て対戦相手同士が語らう「After Game Talk」。

第2回は、今春の選抜大会決勝で対戦した健大高崎(群馬)の主将・箱山遥人捕手、副将・高山裕次郎二塁手、報徳学園(兵庫)の主将・間木歩投手、今朝丸裕喜投手をオンラインでつなぎ、高校日本代表候補の合宿での出来事などを振り返ってもらった。

 ――4人とも、選抜大会後にあった4月の高校日本代表候補合宿で一緒でした。

 一同 「楽しかったです」

 高山(健) 「紅白戦をやって、甲子園とかで活躍してた選手ばっかりで、やっぱりすごいなあと」

 箱山(健) 「自分はちょっと朝が早くてきつかったです(笑)」

 今朝丸(報) 「(広陵の)高尾響選手が紅白戦で投げていて、勝てる投手はやっぱりこういうピッチングをするんだなっていうところが印象に残りました」

 間木(報) 「投手で行動することが多くて、その中で球種の教え合いなどいろんな交流ができたので面白かった」

 ――それぞれ、どんなキャラクターだと思いましたか?

 今朝丸 「箱山君は元々しっかりしている選手だなあっていうのは思ってたんですけど、しゃべってみると優しいというか、面白かった。高山選手も一緒です」

 間木 「(箱山と高山の)2人とも最初は真面目という印象があった。合宿でもその通りの振る舞いというか、あまりおどけているシーンがなかったので、想像通りだなあと。高山君には自分からなかなか話しかけに行けず、あまりコミュニケーションが取れなかったんですけど、やっぱり紅白戦とかを見て本当にオーラがあるなあっていうのは思って見ていました」

 箱山 「今朝丸君はけっこうでかかった。いじられるキャラだと思ってたんですけど、いじる方というか自分がツンツンされて。間木君は報徳学園でキャプテンをやって、やっぱり関西人ということでおもしろかったです」

 高山 「今朝丸君は思っていた通りおもしろい。ちょっとおどけていると思った。間木君はキャプテンなので、すごい真面目だなって」

 ――選抜も含めて、主将としての箱山君の姿は報徳学園の2人にどう映っていましたか。

 間木 「みんなで熱くなるというか、箱山君が感情を大きく出して、それにチームがついていく印象があった。頼もしいキャプテンなんじゃないかな」

 今朝丸 「まじめなタイプなんで、チームを引っ張っていくオーラが見えましたね」

 箱山 「自分、結構おちゃらけるタイプなんですよ。(合宿では)関西人の前で自分を出せなかったので、(夏に)ジャパンのメンバーに一緒に選ばれた時はもっと仲良くしたいです」

 ――では、報徳学園の間木君をどう見ていましたか。

 箱山 「関西人が集まっているおもしろい集団だと思うんですけど、先頭を立つ人間として本当にリーダーシップがあって、みんなから愛されるキャラではないかなと思いました」

 高山 「(合宿で)自分から率先して動く姿がすごく見えたので、本当についていきたいと思うようなキャプテンでした」

 間木 「なかなかキャプテンをしていて、そういう声ってあんまり聞かないので、素直にうれしいかな。ちょっとだけ照れます」

 今朝丸 「健大高崎の佐藤(龍月)投手と石垣(元気)投手は、球速を上げるためにどんな練習をしているのか気になります。箱山君から見てどうですか」

 箱山 「自分で考えてやる練習が多い。すごいストイックにトレーニングしているとかではないんですけど、練習試合も1週間に5イニングとか指導者さんから大切に使ってもらっている。肩がピンピンしているなかなって思います」

 ――今朝丸君の球速を上げる練習法は?

 今朝丸 「人それぞれだと思うんですけど、自分は体重を増やせば球速につながってくるんじゃないかなとは思います」

 間木 「自分の課題もやっぱり球速なので、もっと具体的な何かないのかなっていう風には思っています」

 箱山 「ピッチャーの練習風景はあまり見ないんですけど、2人で高め合って『球速はどっちが速くなるか』みたいなことは言っているんで、ライバル心が球速を上げているのかな」

 今朝丸 「練習の時は佐藤投手と石垣投手のように(間木投手に対する)ライバル心を持ってやっているんですけど、球速アップにはつながっていないかな(笑)」

 間木 「投球スタイルが全然違うと思っている。もっと球速だけを意識してライバル心を持ってやりたいなと思います」

 高山 「僕は甲子園で対戦した打者の中で、一番嫌な打者を報徳学園の2人に聞きたいです」

 今朝丸 「僕は大阪桐蔭の境亮陽選手が一番嫌だなと思いました。ポテンシャルがエグいって言われている中で、対戦して変化球もストレートもけっこう捉えてくる打者なので」

 間木 「常総学院の武田勇哉選手が、僕は一番印象に残っています。体が大きいというのは投手からしてやっぱり圧になる。オーラというか、本当に気をつけながらいこうっていう風に思ったので、体の大きさはけっこう怖い」

 ――武田選手の名前が出た時、健大高崎の2人が顔合わせて笑っていました。

 箱山 「いや、ジャパンの合宿のときにめちゃめちゃ面白くて、まさか名前が上がると思いませんでした(笑)」

 高山 「武田、面白いんで。でも、やっぱりすごいんだなという風に思いました」

 ――他に互いに聞きたいことはありますか?

 間木 「全然試合と関係ないんですけど…。(試合前に行う)攻守決定のじゃんけん。あそこはどういう気持ちでいっていますか」

 箱山 「特に何も考えていないです(笑)。普通にじゃんけんに行って、これを最初に出すと決めているのがあるので、それを出します。夏に対戦した時に、またちょっと作戦を変えていこうかなと思います(笑)」

 間木 「実は、秋の大会を通じて7戦のうち1勝しかしていない。絶対に負けたらダメ、というプレッシャーを持ちながらいっていました」

 箱山 「でも、じゃんけんは運だと思うんで、神様が味方してくれるような歩みを毎日しています(笑)。自分は公式戦のじゃんけんは2回ぐらいしか負けたことがない。(決勝は)チョキ出して勝ったと思います」

 間木 「日頃の行いをしっかりしようと思います(笑)」(構成・室田賢)