伝統のGPでも結果を残した角田。昨年よりも明らかに成長を見せている(C)Getty Images
F1第8戦、モナコGP決勝が現地時間5月26日(日本時間27日)に開催され、角田裕毅(RB)は8位でフィニッシュし、3戦連続でのポイントゲットを果たした。また、赤旗による再スタートとなった今回のレースも堅実な走りを展開し、同GP4度目にして自身初入賞を成し遂げている。
【動画】戦慄のクラッシュシーン…F1モナコGPで起きた衝撃的瞬間をチェック
スタート直後、隊列後方でセルジオ・ペレス(レッドブル)とケビン・マグヌッセン(ハース)が接触、ペレスのマシンが大破するなどのアクシデントにより、レースは赤旗中断。その後、ふたたびスタートが切られる中、角田は予選順位の8位のポジションをキープする。
RBは多くのチームと同じように、再スタート前にタイヤ交換を行い、再開後はピットストップに入らずにチェッカーを目指した。そのため角田は、オーバーテイクが困難なコースであることに加え、最後までペースを守るという我慢の走りを続け、手堅く入賞圏内のままフィニッシュ。それでも、最終周にはファステストラップにも迫るほどの猛プッシュも仕掛けるなど、攻めの姿勢もみせていた。
上位では、ポールからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が嬉しい地元での初優勝を飾り、2位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位カルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。やはり、予選順位のままでのリザルトとなっている。
そして、チームの作戦を確実に遂行した角田の走りは、RBスタッフも高く評価しているようだ。英モータースポーツサイト『PITPASS.com』では、角田をはじめ、RB首脳陣のコメントを掲載した。
チームオーダーに従ったという角田が「少しフラストレーションはあったが、冷静にペースをコントロールした」と述べたとしている他、車両性能責任者のギヨーム・デゾリュー氏は「今日のレースで8位に入ったユウキは、力強く激しいレースウイークだった」と予選からのパフォーマンスを絶賛。さらに「レースはタイヤとマシンのマネージメントが重要で、ユウキはエンジニアのサポートを受けながら76周を見事に走りきった」と決勝での対応にも賛辞を贈っている。
他にも、ローラン・メキース代表も「序盤から終始、戦略的な駆け引きが繰り広げられ、緊張感が漂っていた」と波乱の幕開けとなったレースを振り返りつつ、「ユウキは本当に絶好調で、今回もグリッドで中団の前方につけてくれたし、戦略通りに走って貴重なチャンピオンシップポイントを持ち帰ることができた」と満足気な言葉を並べた。
今回も、レース展開に合わせたチームの戦術と角田自身のドライビングが噛み合い、結果に結びついた。ここ3レースで予選、決勝を通して「5強」に食い込んでいることもあり、2週間後のカナダGPでの、さらなる上位フィニッシュにも期待せずにはいられない。引き続き24歳の走りには、多くの視線が注がれることになりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「俺を潰す気つもりか!」――角田裕毅が発した“異常な暴言”に海外メディアも「通常では考えられない会話」と仰天
【関連記事】「ツノダは飛躍的に進歩した」好調で日本GPを迎える角田裕毅 元世界王者や海外メディアが高評価「強さを証明している」
【関連記事】「ツノダに改めて脱帽した」鈴鹿で10位入賞の角田裕毅 ”攻めの姿勢”や”素早いピット作業”に欧州からも称賛の声