(19日、第76回春季関東地区高校野球大会2回戦 中央学院3―10常総学院〈茨城〉) 初回2死二塁で中央学院の蔵並龍之介(3年)が打席に向かった。 「投手の枚数を増やしたい」。相馬幸樹監督は夏に向け、2年生の鵜沢礼凰(れお)に先発を任せた…

 (19日、第76回春季関東地区高校野球大会2回戦 中央学院3―10常総学院〈茨城〉)

 初回2死二塁で中央学院の蔵並龍之介(3年)が打席に向かった。

 「投手の枚数を増やしたい」。相馬幸樹監督は夏に向け、2年生の鵜沢礼凰(れお)に先発を任せた。

 2回戦の相手は春季茨城県大会で5試合40得点を挙げて優勝した常総学院。春の選抜大会で背番号1を背負った蔵並は「先制点を挙げて、楽な状態で鵜沢を投げさせたかった」。

 5球目の内から真ん中に入ってきた変化球を左翼スタンドまで運び、鵜沢に先制点を贈った。

 しかし、その裏に鵜沢は連続四球や二塁打などで同点に追いつかれ、打者4人でマウンドを降りた。蔵並はベンチに戻ると、謝る鵜沢に「すみませんじゃないよ」と返した。試合後、蔵並は「球自体は良かった。だが試合中だからネガティブな声は良くない」。そう振り返った。

 五回から継投した蔵並は、粘投して七回まで接戦に持ち込んだが、八回に味方のエラーに動揺。その後、四球や暴投に加え、本塁打を浴び、交代した。「先頭の出塁を許した後の崩れ方が良くなかった。なんとしても勝ちたかっただけに感情のぶれが出た」

 試合後、相馬監督が選手たちを集めて「代表として来ているのに隙だらけ。負けないと分からないなんて話にならない」と厳しい言葉をかける場面もあった。蔵並は「甘さが出た。自分も制球は全然駄目。年下とか関係なく一緒に進んでいきたい」と静かに答えた。(杉江隼)