打ち合いの末にネリからダウンを奪われた井上。試合開始間もない初回の出来事に東京ドームも騒然となった。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  東京で繰り広げられた衝撃的な一戦は色褪せない。 …

 

打ち合いの末にネリからダウンを奪われた井上。試合開始間もない初回の出来事に東京ドームも騒然となった。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 東京で繰り広げられた衝撃的な一戦は色褪せない。

 去る5月6日に東京ドームで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで撃破。初回にキャリア初ダウンを奪われながらも、そこから挽回して3度のダウンをもぎ取るドラマチックな防衛劇だった。

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 東京ドームで34年ぶりに実現した一戦には、世界中の熱視線が注がれた。そんな文字通り歴史的試合の娯楽性は、いまだ尽きない。現地時間5月16日には、米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』が「ダウンしても終わりじゃない。ボクシングの偉大なる逆転劇」と銘打った記事を掲載。錚々たる名勝負を回想するとっかかりとして、今回の井上とネリの戦いを紹介した。

 同サイトのエリック・ラスキン記者は、近接戦で左フックを繰り出し、井上を吹っ飛ばした初回のダウンシーンでのネリについて「イノウエのほんの一瞬のミスを本能的に活かした直観と能力を見せたワールドクラスのファイター。彼の判断によって我々はボクシングの偉大なドラマを見られた」と称賛。そのうえで、日本の“怪物”が魅せた怒涛の猛攻を褒めちぎっている。

「なんにせよ、衝撃的なダウンが起きた時には、このボクシングが秘めるもうひとつの波乱の可能性、つまりカムバックする扉が開かれる。イノウエはそれを見事にやってのけ、窮地から挽回し、ネリを3度も倒した。その一部始終はスリルがあり、“ザ・モンスター”が喫したダウンは、パウンド・フォー・パウンダーとしての彼の基準からすれば、壮大でドラマチックな事件だった」

 ボクシングの本場と言われる米メディアから「事件だった」と言われた井上のダウン。日本列島が騒然としたワンシーンは、世界的に見ても、やはり衝撃だったと言えよう。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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