プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の京都ハンナリーズは今季、17勝43敗で西地区8チーム中最下位だった。成績は振るわなかったが、観客数は急増するなど、2026~27年シーズンから始まる新1部リーグ「Bリーグ・プレミア」(Bプレミア)…

 プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の京都ハンナリーズは今季、17勝43敗で西地区8チーム中最下位だった。成績は振るわなかったが、観客数は急増するなど、2026~27年シーズンから始まる新1部リーグ「Bリーグ・プレミア」(Bプレミア)参入に向けて明るい兆しもある。

 14日に京都府庁を訪れて西脇隆俊知事と面会した前田悟選手は「けがで半分ぐらい試合に出られず、個人としてもチームとしてもはがゆい思いをした」と振り返った。B2への降格は免れたものの、昨年10月から今年5月にかけての今季17勝は前季の22勝にも届かなかった。

 それでも、同席した運営会社「スポーツコミュニケーションKYOTO」の松島鴻太社長の表情は暗くなかった。多くの観客が足を運んだためだ。今季のホーム戦(30試合)の平均観客数は4345人を記録。前季のホーム戦平均観客数は2704人で、松島社長は「我々でも信じられないような記録を達成することができたのも、応援いただく方のご支援あってのこと」と振り返った。

 同社は、48年ぶりに自力での五輪出場を決めたバスケットボール男子日本代表の人気の波及のほか、地域のイベントへの選手の積極的な参加でチームの認知度が向上したことなどが観客増につながったとみている。

 Bプレミア参入の現実味も増してきた。参入条件の一つとなっている「ホーム戦平均4千人以上」を今季達成することができた。他にも売上高が12億円以上、5千席以上の客席などが本拠にあること、といった条件を満たす必要があるが、松島社長は報道陣の取材に対し「売り上げ12億円も到達見込みで、集客もクリアできたので、アリーナ要件さえしっかりと基準を満たせば、26年からの新リーグに参入できる」と話す。

 府が28年10月の完成を目指して、向日市の向日町競輪場に8千人以上の観客を収容できる想定のアリーナを整備する方針も追い風だ。

 ハンナリーズは現在、京都市右京区のかたおかアリーナ京都を本拠としているが、収容人数は立ち見席を含めて約4300人だった。松島社長は新アリーナをホームとして使う方針も明らかにし、「もちろん向日町をホームとして使わせていただく。そのために努力しないといけない」と語った。(西崎啓太朗)