目の覚める一打で敵地のファンを騒然とさせた大谷。(C)Getty Images 文字通り絶好調の偉才は、投げ込まれた好球を逃さなかった。 現地時間4月26日、敵地でのブルージェイズ戦で、大谷翔平は初回に巡ってきた第1打席に、相手先発…

目の覚める一打で敵地のファンを騒然とさせた大谷。(C)Getty Images

 文字通り絶好調の偉才は、投げ込まれた好球を逃さなかった。

 現地時間4月26日、敵地でのブルージェイズ戦で、大谷翔平は初回に巡ってきた第1打席に、相手先発クリス・バシットがカウント1-1から投じたインコースからやや真ん中よりに抜けた、いわゆる“打ちごろ”の83.2マイル(約133.9キロ)のスライダーを強振。打ち上げられた打球はみるみる飛距離を伸ばして、右翼フェンスを越えた。

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 大谷にとってはぞくぞくするようなシチュエーションだったのかもしれない。というのも、彼には容赦のないブーイングが浴びせられた。

 野次を受ける理由は昨年末に起きたちょっとした“騒動”にあった。

 昨年12月にドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)という大型契約を結ぶ直前、ある米記者がSNSに「大谷がトロント行きの飛行機に搭乗した」という情報を発信。これを目にしたブルージェイズ・ファンの期待は大いに高まった。しかし、ほどなくしてエポックメーキングなニュースは誤報と判明。期待を裏切られたファンにとって、二刀流スターが憎き相手となっていた。

 そうしたブルージェイズ・ファンの“反発”を一振りで静めた大谷。試合後にロサンゼルスのスポーツ専門局『Sports Net LA』などの取材に応じた本人は、「ブーイングに驚いた?」と聞かれると、「ビックリはしなかったですね」とキッパリ。そして、いかなる地でも喧騒の的となるスーパースター“らしい”回答をしてみせた。

「ブーイングされるか、されないかは、結果的な話ですけど、自分のチームが好きだからこそ、相手の選手にブーイングしたりするんだと思うので。そういう熱量というのは、ドジャース・ファンでもブルージェイズ・ファンでも、野球が好きなんだなというリスペクトを逆に感じるところです」

 容赦のないブーイングを「情熱」と捉えるあたりに、彼の野球愛が垣間見える。そんな寛容な姿勢も大谷の稀有なスター性を物語っていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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