史上初の高卒新人ファン投票選出捕手となった千葉ロッテの松川虎生。初のオールスター舞台で佐々木朗希の“完全試合バッテリー”を組み、新時代の幕開けを告げる。写真提供:共同通信社JERAセ・リーグ特設サイトはこちら 2003年10月20日生まれ…

史上初の高卒新人ファン投票選出捕手となった千葉ロッテの松川虎生。初のオールスター舞台で佐々木朗希の“完全試合バッテリー”を組み、新時代の幕開けを告げる。

写真提供:共同通信社


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 2003年10月20日生まれ。大阪府阪南市出身。中学時代に貝塚ヤングで小園健太(現・横浜DeNA)とバッテリーを組み、3年夏にヤングリーグ日本選手権で優勝。小園とともに市立和歌山高に進学すると、1年夏から4番に座り、2年秋からは主将としてチームを牽引して3年春の甲子園に出場。178センチ、98キロの恵まれた体格を持つ高校No. 1捕手として、高校通算43本塁打の強打に加えて優れた守備ワークが評価され、2021年秋のドラフト会議で千葉ロッテから単独の1位指名。小園とともに、史上初めて同一高校のバッテリーが揃って1位指名されることになった。

「将来の正捕手候補」としてのプロ入り。高卒捕手ならば通常、3、4年は2軍で実績を積むことが多いが、キャンプ、オープン戦で井口資仁監督をはじめとした首脳陣の評価と信頼を掴み、2リーグ制以降では史上3人目となる高卒捕手の開幕マスクを被っての1軍デビュー。そして4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)では、2歳上の佐々木朗希の完全試合を好リードでアシスト。その後も1軍に帯同し続け、7月20日の時点で88試合中44試合(先発41試合)に出場し、打率.165、0本塁打、7打点と打撃面では壁にぶち当たっているが、守備では堂々たるプレーを披露している。

捕手として高い危機察知能力を持ち、年上の投手たちにもまったく臆することがない18歳捕手に対する周囲の期待は大きく、今回のオールスターファン投票では34万1160票を集め、高卒新人捕手としては史上初のファン投票1位。「選んでいただいてすごく光栄に感じますし、感謝の気持ちで一杯です。すごい選手がたくさんいる場なので、色々な話を聞いたりして少しでも良い経験ができるように頑張りたいと思っています。楽しみっス」と笑顔を見せると、さらに選手間投票でも1位で選出され、「まさか選手のみなさまから選んでいただけるなんて正直、夢にも思っていませんでした。ファン投票で選んでいただけたことも嬉しかったですが、こちらも本当に光栄な事に思います。オールスターにふさわしいプレーができるように精一杯頑張りたいと思います」と気を引き締めている。

まずは勝手知ったる佐々木朗希とのコンビで、球宴舞台で完全試合を再現すること。そして自らのバットでチームを勝利に導くことができれば、自らの名前と実力を、さらに多くのファンに広め、認めさせることができる。過去に新人でオールスターMVPに輝いたのは、岡田彰布(1980年)、清原和博(1986年)、川上憲伸(1998年)、近本光司(2019年)の4人のみで、高卒新人は清原のみ。果たして、新時代の司令塔・松川は「初球宴」でどのような姿を披露するのか。新たな時代の幕開けを、大いに期待する。