競馬の第84回皐月賞は14日、中山競馬場の芝右2000メートルに3歳馬17頭が出走して行われ、2番人気のジャスティンミラノ(栗東・友道康夫厩舎(きゅうしゃ))がコース記録の1分57秒1で優勝した。戸崎圭太騎手と友道調教師はともに、2度目の…

 競馬の第84回皐月賞は14日、中山競馬場の芝右2000メートルに3歳馬17頭が出走して行われ、2番人気のジャスティンミラノ(栗東・友道康夫厩舎(きゅうしゃ))がコース記録の1分57秒1で優勝した。戸崎圭太騎手と友道調教師はともに、2度目の皐月賞制覇となった。76年ぶりの牝馬(ひんば)による優勝をめざしたレガレイラは6着に終わった。

■藤岡康太が育てた皐月賞馬

 ゴール前、ジャスティンミラノを管理する友道調教師は「康太! 康太!」と叫んだという。

 康太とは、レース中の落馬事故で10日に死去した藤岡康太騎手(享年35)。皐月賞の1週前まで、この馬の調教を担当していたのが藤岡康騎手だった。

 ジャスティンミラノの脚色は最後の最後まで衰えなかった。残り100メートル地点で先頭は2馬身以上先。そこから騎手のアクションに応えて一歩ずつ追い詰めると、ゴール直前でかわした。

 本番の鞍上(あんじょう)を託された戸崎騎手は、藤岡康騎手への思いを胸にステッキを振るったという。「最後のこの(2着との)差っていうのは、康太が後押ししてくれたんだなと。康太も喜んでいるんじゃないかなと思っています」

 乗り役が「康太、ありがとう。お疲れ様でしたと伝えたいですね」と言えば、友道調教師は「この勝利は、彼のお陰だと思います」。これ以上無い、弔いの走りだった。(松本龍三郎)