鳥取県内で初となる女子の硬式野球部が11日、私立倉吉北高校(倉吉市)に誕生した。入部を決めている新1年生2人は「部員を集め、女子の大会に出場し、甲子園で試合をする!」と目標を語った。 入部するのは、いずれも鳥取市の谷口実花さん(15)と田…

 鳥取県内で初となる女子の硬式野球部が11日、私立倉吉北高校(倉吉市)に誕生した。入部を決めている新1年生2人は「部員を集め、女子の大会に出場し、甲子園で試合をする!」と目標を語った。

 入部するのは、いずれも鳥取市の谷口実花さん(15)と田中りなさん(15)。

 2人とも野球をしている兄がおり、その影響で小学生のころから野球を始めた。中学生のときには同じ女子の軟式野球チームなどでプレーし、全国大会に出場した経験もある。

 倉吉北に女子硬式野球部ができることを知るまでは、2人とも高校で選手として野球を続けることは考えていなかったという。田中さんは「県外に行ってまで、野球をやろうとは思っていなかった。兄と同じ高校に行って、野球部のマネジャーをしようかと考えていた」と振り返る。

 昨年12月、女子硬式野球部の監督に就任することが内定していた倉吉北野球部OBの川西功徳さん(60)が、2人の所属する軟式野球チームを訪れ、倉吉北に女子の硬式野球部ができることを説明した。

 谷口さんは「まさか、そんな話があるなんて、と驚いた。高校でも選手として野球をやりたかったけど、親元を離れるのは不安だったので、すごくうれしかった」という。

 部の目標は、甲子園に行くこと。たった2人でのスタートになったが、まずは部員を集め、来年には試合ができるようになりたいと思っている。

 谷口さんは「硬式のボールは初めてなので、まずはボールに慣れたい。3年生になったとき、倉吉北の女子硬式野球部として試合ができたらいいな」と話す。田中さんは「まだまだ知らないことがたくさんあるので、この野球部でしっかり学びたい。倉吉北の女子野球部の歴史をつくっていきたい」と意気込む。

 練習は、平日と土曜日の午前中。川西監督は「考える野球を目指して、ルールやセオリーなども男子以上にしっかりと教えたい。来年には、人数をそろえて大会に出場し、ゆくゆくは中国地方有数のチームに育てていきたい」と話した。(渡辺翔太郎)