7月14日に初日を迎える大相撲名古屋場所をPRしようと、日本相撲協会の担当部長らが11日、大村秀章・愛知県知事を表敬訪問した。この日は初の外国出身横綱で格闘家としても活躍した曙(あけぼの)太郎さんの死去が報じられ、関係者が名古屋場所にゆか…

 7月14日に初日を迎える大相撲名古屋場所をPRしようと、日本相撲協会の担当部長らが11日、大村秀章・愛知県知事を表敬訪問した。この日は初の外国出身横綱で格闘家としても活躍した曙(あけぼの)太郎さんの死去が報じられ、関係者が名古屋場所にゆかりのあった曙さんを悼んだ。

 「足も腕も長く、ぽんっと突っ張られ、いっぺんに体を持っていかれた。全然相撲にならなかった」

 知事表敬後、記者団の取材に応じた出羽海親方(元幕内小城乃花)は、曙さんとの取組を振り返り、こう悼んだ。「自分より年下の横綱だったが、気遣いをしてくれる優しい力士だった」。大村知事は「若乃花や貴乃花とともに一世を風靡(ふうび)した平成の大横綱だった。亡くなるには早い。残念だ」と語った。

 曙さんは名古屋でも記憶に残る活躍を見せた。1993年の名古屋場所で横綱として初優勝を飾ったほか、2000年には19場所ぶりの復活優勝を果たした。また、03年の大みそかには格闘技のK-1に参戦し、ナゴヤドーム(現バンテリンドームナゴヤ)でボブ・サップと対戦した。

 会場移転に伴い、現在の愛知県体育館(名古屋市中区)での開催が最後となる今年の名古屋場所。出羽海親方は「若い力士が着実に育っており、盛り上がる場所になると思う」とアピール。大村知事は「記録と記憶に残る場所になるよう期待している」と話した。

 大相撲名古屋場所は、1958年に本場所に昇格。当時は金山体育館(同市中区)で行われていたが、県体育館が開館した翌年の1965年から会場を移し、今年で59回目。新たな県体育館は来年7月に名城公園北園(同市北区)にオープンし、名古屋場所がこけら落としになる予定だ。(松島研人)