プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の青森ワッツが苦境に立たされている。筆頭株主の経営破綻(はたん)で、運営会社が資金難に直面しているためだ。ブースター(ファン)やスポンサーなどの後押しで資金繰りは改善しつつあるが厳しい状況は続いてお…

 プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の青森ワッツが苦境に立たされている。筆頭株主の経営破綻(はたん)で、運営会社が資金難に直面しているためだ。ブースター(ファン)やスポンサーなどの後押しで資金繰りは改善しつつあるが厳しい状況は続いており、運営会社の代表はさらなるサポートを呼びかけている。

 「安定経営に向かうよう、ご支援ご協力をお願いしたい」。Bリーグの島田慎二チェアマンと、ワッツを運営する「青森スポーツクリエイション」(ASC)の北谷稔行社長は8日、青森市の西秀記市長を訪ね、改めて支援を要請した。西市長は「(ワッツは)青森市民みんなで応援するチームであってほしい。もうひと頑張りしてほしい」と話した。

 ワッツをめぐっては2月、ASCの筆頭株主だった「ANEW Holdings」(東京)の破産手続き開始決定を受け、資金繰りが悪化。ASCは3月、経営の安定化には運転資金などに約5千万円が必要になると明らかにしていた。リーグによると、債務超過を解消できず来季の資金繰りの安定化が証明されない場合には、リーグ参戦に必要な「B2ライセンス」が交付されない可能性もあるという。ワッツへのライセンス交付については「継続審議」となっており、今月下旬に開かれる理事会で決まる予定だ。北谷社長によると、現時点で来季のチーム存続の見通しは立っていないという。

 チームの危機を救おうと立ち上がったのがブースターやスポンサーだ。ASCによると、試合の入場料やグッズの販売収入、協賛企業からの追加支援と寄付などで、8日までに約4千万円を確保した。ただ、危機を脱するにはあと1千万円程度が必要という。

 西市長との面会後、報道陣の取材に応じた北谷社長は「(登山に例えると)7~8合目まで来た。多くの方にサポートしてもらい、あと少しというところまで来ている。ここからが大変だが、なんとか乗り越えていきたい」。島田チェアマンも「ブースターのみなさんの熱い思いに感謝したい。残りの資金を獲得できるように我々も頑張るので、ご支援いただきたい」と後押しを求めた。

 ワッツは8日時点で29勝27敗の東地区4位。7日にはアウェーでベルテックス静岡に勝利し、2季連続2度目のプレーオフ進出を決めた。今月13、14日には青森市のマエダアリーナで、レギュラーシーズンのホーム最終節が行われる。(野田佑介)