ソフトバンクの和田毅投手(43)が自身の「今季開幕」に大きく前進した。 10日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(福岡・タマスタ筑後)に先発し、6回を被安打4、無失点と好投した。 左手マメの影響などで開幕ローテーション入りを回避し、この日…

 ソフトバンクの和田毅投手(43)が自身の「今季開幕」に大きく前進した。

 10日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(福岡・タマスタ筑後)に先発し、6回を被安打4、無失点と好投した。

 左手マメの影響などで開幕ローテーション入りを回避し、この日が約2週間ぶりの実戦。ベテラン左腕は「いいときの感覚に戻りつつある」と手応えを口にした。

 立ち上がりから快調に飛ばした。最速143キロの直球を主体に押し込み、スライダーやチェンジアップで緩急をつけた。四回2死までパーフェクト。「五回くらいに(左手指の)皮がむけ始めてスピードが落ち始めたけど、そのなかでどうやって抑えていくかを考えた」と和田。変化球を高低に投げ分ける制球力で、6回を75球、6奪三振でまとめた。

 プロ22年目の今季は、4月2日の本拠開幕投手に指名されるなど先発陣の柱の一人として期待された。一方で、1月の自主トレーニング中に左脇腹に違和感を訴えるなど調整は遅れ気味だった。

 本来なら2月の春季キャンプで投げ込み、左手のマメを固めていくが、思うように進まなかった。さらに、3月26日のウエスタン・リーグ広島戦で打球を処理した際に左中指を痛めたため、本拠開幕戦での先発を諦め、再調整していた。

 視察した小久保裕紀監督は「真っすぐも変化球も今年一番よかった。すぐに次は上(1軍)ではないが、十分に期待できる」とうなずく。倉野信次投手コーチも「かなり(1軍登板に)前進したんじゃないか。安心した。パフォーマンスを上げることだけに集中して欲しい」と話した。

 和田は「ようやく自分のいい形が出始めた。細かい制球などまだ課題はあるので、しっかり結果を残さないと。早く(1軍)の輪に加われるように頑張りたい」と気合を入れた。(鷹見正之)