大リーグ・ドジャースの山本由伸が6日(日本時間7日)、敵地シカゴでのカブス戦に先発し、五回まで被安打3、無失点の好投で大リーグ初勝利を挙げた。 ドジャースの山本由伸は、2安打と1四球で迎えた一回無死満塁の大ピンチを3者連続三振で切り抜けた…

 大リーグ・ドジャースの山本由伸が6日(日本時間7日)、敵地シカゴでのカブス戦に先発し、五回まで被安打3、無失点の好投で大リーグ初勝利を挙げた。

 ドジャースの山本由伸は、2安打と1四球で迎えた一回無死満塁の大ピンチを3者連続三振で切り抜けた。

 キュッとブレーキがかかる自慢のカーブがさえた。相手の4番打者にはカーブを3球続けて空振り三振。5番は初球でカーブを印象付け、直球で追い込み、最後は内角低めの97マイル(約156キロ)を見送らせた。6番には追い込んでからカーブを外角高めいっぱいに制球し、見逃し三振を奪った。

 五回までの全80球のうち、34球の直球に次いで多かったのは28球のカーブだった。二回2死満塁でもこの球で見逃し三振に仕留めた。一回からカーブの球数は10、5、6、5、2。直球やスプリットの感覚を取り戻した三回以降はうまく球種を織り交ぜ、全て三者凡退に抑えた。

 「序盤、スプリットが決まっていなかったので、カーブでカバーしながら立て直せたかなと思います」と山本。不安な立ち上がりをカーブでしのぎ、状態が上がるのを待つ。オリックス時代から変わらない25歳の調整術だ。

 スプリットやカットボールなど持っている変化球の多くは球速が直球と大きく変わらない。速さに目が慣れている大リーグの打者に対し、緩急の差を生み出せるカーブは「キーになるとよく言われる」(山本)という。

 3年連続の投手4冠を手土産に海を渡ったが、大リーグ初登板だった3月21日のパドレス戦は1回5失点で負け投手になった。だが、同30日のカージナルス戦で5回無失点と好投し、この日は5回3安打無失点で初勝利。登板ごとに、ファンの疑念や不安を振り払っている。

 「毎週の1試合を成功させるために1日も無駄にすることなくやっていくのがピッチングにもつながると思います」。ドジャースと12年契約を結んだ大リーグの挑戦は始まったばかり。気持ちをぶらさず、1歩ずつ前へ進む。(シカゴ=高橋健人)