能登半島地震の被災地にプロバスケットボールの灯が再びともった。プロリーグ・B3の金沢武士団(サムライズ)が6日、練習拠点を置いてきた石川県七尾市では震災後初となる試合に臨んだ。会場の田鶴浜体育館は3月上旬まで避難所だった。選手と観客は、ス…

 能登半島地震の被災地にプロバスケットボールの灯が再びともった。プロリーグ・B3の金沢武士団(サムライズ)が6日、練習拠点を置いてきた石川県七尾市では震災後初となる試合に臨んだ。会場の田鶴浜体育館は3月上旬まで避難所だった。選手と観客は、スポーツを楽しめる喜びをかみしめた。

 アースフレンズ東京Z(東京Z)との試合には428人が集まり、「やっと帰ってきました」というアナウンスが響くと、大きな拍手が起きた。金沢は66―89で敗れたが、東野恒紀選手のゴール前での鋭いドリブルや、関口サムエル選手の3点シュートなどで見せ場をつくった。

 この試合は元々、アウェーゲームの予定だったが、両チームが「能登で試合を!」との思いで結束し、開催が実現した。

 同市田鶴浜地区の会社員、玉津孝一さん(51)は地震で自宅や勤務先の工場が被災し、体育館近くの高校で避難生活を送った。長男伯さん(20)と観戦し「最初は本当にそれ(スポーツ観戦)どころじゃなかった。ようやく応援ができるんだ、とじわっと感動がこみ上げてきた」と話した。

 金沢は現在18チーム中最下位。7日、同体育館で今季最終戦を迎える。(土井良典)