プロ野球DeNAから大リーグのカブスに新加入した今永昇太が1日(日本時間2日)、本拠シカゴでのロッキーズ戦に初登板し、6回を2安打無失点、毎回の9奪三振、無四球の好投で初勝利を挙げた。 同僚の鈴木誠也は2番指名打者で出場し、六回に好機を広…

 プロ野球DeNAから大リーグのカブスに新加入した今永昇太が1日(日本時間2日)、本拠シカゴでのロッキーズ戦に初登板し、6回を2安打無失点、毎回の9奪三振、無四球の好投で初勝利を挙げた。

 同僚の鈴木誠也は2番指名打者で出場し、六回に好機を広げる右前安打を放って今永を援護。チームは5―0で勝利した。

■「これを船出と例えるなら…」

 無安打投球が続いていた六回。今永は2死から中前に初安打を浴び、天を仰いだ。続く打者にも中前に運ばれ、2死一、二塁と一気にピンチが訪れた。

 だが、ここで昨季セ・リーグ奪三振王の底力を発揮する。直球と変化球で連続のファウルを奪うと、93マイル(約150キロ)を低めに決めてバットに空を切らせた。

 「カブスのファンの方がミットまで歓声でボールを押し込んでくれたのかな」。グラブをたたいて雄たけびを上げ、さらにもう一度、グラブを力強くたたいた。

 この回でマウンドを降りるまで、9個の三振を積み上げた。駆使したのは持ち味の直球。伸びやかな球筋は150キロ前後の球速以上に速さを感じさせ、相手打線に振り遅らせた。寒空の下でも貫いた半袖姿と同じく、投球でもDeNA時代のスタイルで初登板初勝利をつかみ取った。

 昨オフ、同じタイミングで日本から海を渡ったドジャースの山本由伸は3月30日の登板で5回無失点と好投。パドレスの松井裕樹は4試合連続無失点中だ。

 今永よりも先にデビューし、結果を残した2人に対し、仲間意識ではなく、対抗心をむき出しにする。「彼らが結果を出せば、僕も結果を出さなければいけない」。30歳の左腕にとって、この闘争心が米国でのし上がる原動力だ。

 今永は「これを船出と例えるなら、まだ港の船からロープを外しただけ」と自身のデビュー戦を独特に表現し、「今日は余韻に浸って、(明日からは)気を引き締めて過ごしたい」と話した。(シカゴ=高橋健人)