(31日、第96回選抜高校野球大会決勝 健大高崎3―2報徳学園) ヒット性の当たりは、ことごとく報徳学園(兵庫)の内野陣が止めた。 「すべての打球に食らいつく」。五回1死二塁、遊撃手の橋本友樹は三遊間を抜けそうなゴロに横っ跳び。グラブの先…

 (31日、第96回選抜高校野球大会決勝 健大高崎3―2報徳学園)

 ヒット性の当たりは、ことごとく報徳学園(兵庫)の内野陣が止めた。

 「すべての打球に食らいつく」。五回1死二塁、遊撃手の橋本友樹は三遊間を抜けそうなゴロに横っ跳び。グラブの先っぽでつかみ、一塁への素早い送球でアウトに。ピンチの芽をつんだ。

 一回は三塁手の西村大和が、二回は二塁手の山岡純平が球際で好プレー。力投を続ける先発の今朝丸(けさまる)裕喜に、「守備は日本一」と言わしめる安心感だ。

 橋本は胸を張る。「普段から『絶対とらなアカン』って緊張感で練習している。だから甲子園でも守備力を発揮できた」

 チームは今朝丸、間木歩の二枚看板を擁する一方、野手は小柄で長打が少ない。堅守を磨くことで、投手力を生かす戦い方をめざしてきた。

 冬場は緩く転がした球をつかむ練習で足運びなどの基本を確認。大角健二監督がギリギリ届くところへ強烈なライナーを20分ほど打ち込む「特守」も行った。それも、ミスをすれば仲間から「なんや!」とヤジが飛ぶ空気感の中でだ。

 4試合2失策で勝ち上がり、決勝は無失策。昨春の経験値を生かして持ち味を出し切ったが、それでも、2年連続で頂点を逃した。昨春もレギュラーだった西村は言う。「準優勝はうれしさも悔しさもあるので、チームにとって一番良い経験になる。夏に甲子園に戻って成長を見せたい」

 試合をひっくり返す打力と勝負強さに、さらなる堅守。どう1点差を埋めるのかは、夏への宿題だ。(大宮慎次朗)

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 ●大角健二監督(報) 2年連続で優勝を逃す。「去年は半分自信にしようと思えたが、今年は日本一にこだわっていたので、かなわず悔しさ100%」