(31日、第96回選抜高校野球大会決勝 健大高崎3―2報徳学園) ◎…ピンチをしのいだあとの攻撃を生かせるか。その違いが、勝者と敗者の明暗を分けた。 健大高崎(群馬)は、1死一塁を二直併殺で切り抜けた直後の三回、先頭の斎藤銀乃助が初球を逃さ…

(31日、第96回選抜高校野球大会決勝 健大高崎3―2報徳学園)

 ◎…ピンチをしのいだあとの攻撃を生かせるか。その違いが、勝者と敗者の明暗を分けた。

 健大高崎(群馬)は、1死一塁を二直併殺で切り抜けた直後の三回、先頭の斎藤銀乃助が初球を逃さず、右翼線へ三塁打。高山裕次郎の右前適時打で勝ち越した。小技を選択せず、甲子園で上り調子になってきた打線を信じて取った強攻策が奏功した。2日連続で先発した石垣元気が、二回以降、抑制の利いた丁寧な投球を続けて接戦に持ち込んだことは大きい。指のけがで長いイニングを投げられないエースの佐藤龍月(りゅうが)も、任せられた九回をしっかりと抑えた。

 同じ意味で、序盤から内野手が再三の好守で失点の芽を摘み、投手をもり立てた報徳学園(兵庫)にも十分に勝機はあった。だが、五回の2死満塁、六回の無死二、三塁の逸機は痛恨だった。(山田佳毅)

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 ▼大会3本塁打は過去最少 今大会の本塁打数はランニング本塁打1本を含み3本で、金属バットが採用された第47回大会(1975年)以降では最少。これまで最も少なかったのは第68回大会(96年)の5本だった。

 ▼2年連続の準優勝は91年ぶり 報徳学園は、決勝で山梨学院に敗れた昨年に続く準優勝。2年連続は、第9、10回大会(1932、33年)の明石中(兵庫)以来。

 ▼本塁打ゼロでの優勝は23年ぶり 優勝した健大高崎は、今大会5試合で本塁打なし。1大会で本塁打を打たずに優勝したのは、第73回大会(2001年)の常総学院(茨城)以来。