(30日、選抜高校野球大会準決勝 中央学院2―4報徳学園) 3点を追う八回表、中央学院のチャンステーマ「シダックスファイヤー」が響いた。1点を返し、2死二塁で中村研心主将(3年)に打席が回った。「点を取る」。ボールが2球続いた後、低めのスラ…

(30日、選抜高校野球大会準決勝 中央学院2―4報徳学園)

 3点を追う八回表、中央学院のチャンステーマ「シダックスファイヤー」が響いた。1点を返し、2死二塁で中村研心主将(3年)に打席が回った。「点を取る」。ボールが2球続いた後、低めのスライダーを打った。良い位置に飛んだ打球は好守備に阻まれた。

 4番打者として打線を牽引(けんいん)してきた中村主将は、甲子園で思うような打撃ができず、苦心していた。

 六回表に三塁手強襲の安打を放ち、全試合で安打を記録した。だが、計4試合を通じて打ち上げたり引っかけたりした打球が多く、1打点にとどまった。昨秋の公式戦では18安打を放ち、7本の長打で16打点。いずれもチームトップで勝利に貢献していた。

 祖父は千葉リトルシニアの創設者で、父は淑徳大の野球部監督。野球一家で物心ついたころからボールに触れてきた。初めての全国の舞台で中軸を担い、「プレッシャーはあった。メンタルの弱さが出て思い切りが良くなかった」。

 それでも、試合後は前を向いた。「夏は対戦相手が闘争心を持って向かってくる。気持ちで負けないようにしたい」(杉江隼)