中央学院の小沢遼大(りょうた)選手(3年)は元プロゴルファーの父・克重さんの教えを心に言い聞かせてきた。 「準備が大切。どの競技でも大事なことだよ」 幼いころから、克重さんはこの言葉を口にした。支度を怠らず、スケジュールを管理して前日に用…

 中央学院の小沢遼大(りょうた)選手(3年)は元プロゴルファーの父・克重さんの教えを心に言い聞かせてきた。

 「準備が大切。どの競技でも大事なことだよ」

 幼いころから、克重さんはこの言葉を口にした。支度を怠らず、スケジュールを管理して前日に用意を終えていた。言葉だけでなく、日々の振る舞いからも学んだ。

 小沢選手は試合前も次打者席でもストレッチや素振りを入念にしている。しっかり準備ができているとバッティングのイメージがわき、打席で構えた瞬間に「打てる」と感じられた。

 プロ野球ロッテの大ファンで、小学1年生のとき、観客の前でプレーする姿に憧れて野球を始めた。「自分も注目されたい」と思った。

 ポジションは野手だったため、「投手は視線を向けられやすい。野手はチャンスで打つしかない」。そんな思いが打席に向かう気持ちを奮い立たせてきた。

 ただ、気負いすぎると空回りする。成長できたのは、競技は違っても、父の教えは間違っていないと信じているからだ。

 昨秋の関東大会出場を決めた千葉県大会準決勝や関東大会1回戦で適時打を放ち、チームの勝利に貢献した。選抜では2安打を放ち、打点も挙げたが、適時打はない。準々決勝の青森山田との試合後は、「珍しく緊張していた」と打ち明けた。

 それでも、強気に言う。

 「次はチャンスで打ちます」。勝負強い打撃でチームを勝利に導きたい。

 第96回選抜高校野球大会第10日の30日、中央学院は準決勝第2試合(午後1時半開始予定)で報徳学園(兵庫)と対戦する。(杉江隼)