(29日、プロ野球パ・リーグ 福岡ソフトバンクホークス3-1オリックス・バファローズ) 試合終了の瞬間、ソフトバンクの小久保監督からようやく笑みがこぼれた。 「開幕戦の独特の緊張の中、みんないい仕事をしてくれた。これでいこうという形があ…

 (29日、プロ野球パ・リーグ 福岡ソフトバンクホークス3-1オリックス・バファローズ)

 試合終了の瞬間、ソフトバンクの小久保監督からようやく笑みがこぼれた。

 「開幕戦の独特の緊張の中、みんないい仕事をしてくれた。これでいこうという形があっても、なかなかうまくはいかないんだけどね」。投打の柱が期待通りに躍動し、就任1年目の初陣で王者オリックスに快勝。記念の勝利球を握る右手に力がこもった。

 先発の有原は一回に1点を失ったが、二回以降はオリックス打線を抑え込んだ。「粘り強く投げられた」と有原。そんなベテランの踏ん張りに応えたのは、西武からフリーエージェント(FA)移籍した山川だった。

 七回だ。先頭で右中間に勝ち越し1号ソロをたたき込んだ。2022年10月以来となる自身の一発に「いやあ良かったです」。4番の仕事を果たし、小久保監督に直接、勝利球も手渡した。

 小久保監督はこの日、球場に着くと、選手、コーチらをブルペンに集めて言った。「プロとして目の前の仕事に対し、情熱を燃やしてプライドをかけて仕事をやり抜く。替えのきかない人材になる。それが強い組織のあるべき姿だ」

 昨秋の監督就任以来、目指してきたのは「常勝軍団」の復活だ。選手個々に「何が必要なのか」を徹底的に考えさせた。春季キャンプでは全体練習の時間を短縮する一方、自主練習の時間を増やした。

 「勝利球? いっぱいあるけど大事にします。特別? そりゃそうです」と小久保監督。4年ぶりのV奪回へ、まずは一歩を踏み出した。(鷹見正之)

■有原は3度目の開幕投手で初勝利

 有原(ソ) 3度目の開幕投手で初勝利。「『やっと』という気持ち。すごくうれしい。小久保監督の1試合目でチームを勝利に導けたのを自信にして次もいい投球をしたい」