能登半島地震で被災した富山県氷見市に吉報が届いた。市立西條中学校の男子ハンドボール部が、9年ぶり2度目の日本一に輝いた。28日に学校で報告会があり、8月に市内である別の全国大会に向けて、さらに活躍を誓った。 優勝したのは、第19回春の全国…

 能登半島地震で被災した富山県氷見市に吉報が届いた。市立西條中学校の男子ハンドボール部が、9年ぶり2度目の日本一に輝いた。28日に学校で報告会があり、8月に市内である別の全国大会に向けて、さらに活躍を誓った。

 優勝したのは、第19回春の全国中学生ハンドボール選手権大会。これまで氷見市で開いてきたが、被災の影響で断念。福島県が開催を引き受けた。西條中は男女とも県代表で出場した。

 地震で学校体育館は1週間ほど使えなくなり、大会ができるのかという不安もあるなかで、各自が練習を重ねた。

 男子決勝は27日にあり、東久留米市立西中(東京)を26―24で下した。序盤はリードを許したが、13―13の同点で折り返し。後半も一進一退の攻防のなか、最後に決勝の点を決めた。

 「一時は不安なこともあったが、熱い応援のおかげで最高の結果が残せた」

 報告会で、井上拓己主将(2年)は話した。全員で逆転勝ちするイメージを持って戦った。メンタルトレーニングの成果が出せたという。「福島県をはじめとするたくさんのみなさんにプレーで感謝を伝え、被災した方には元気や勇気を届けたい」

 生徒会長の小畑芽生(めい)さん(2年)は「精いっぱい頑張る姿に力をもらった。氷見や、支えてくれた人たちへの思いを感じ、感動した」と快挙をたたえた。

 8月には全国の代表が氷見に集う。井上主将は「みなさんに戦う姿をみてもらい、楽しんでほしい」。大嶋賢監督も「今回、福島のみなさんの温かさに触れた。氷見でもう一度、日本一をめざす」と話した。(法野朱美)