第96回選抜高校野球大会で山梨学院は28日、準々決勝で健大高崎(群馬)と対戦し、1―6で敗れた。史上4校目の選抜連覇はならなかったものの、昨春からほぼ一新されたメンバーで8強入りという堂々の結果を残した。     ◇ (28日、第96回選…

 第96回選抜高校野球大会で山梨学院は28日、準々決勝で健大高崎(群馬)と対戦し、1―6で敗れた。史上4校目の選抜連覇はならなかったものの、昨春からほぼ一新されたメンバーで8強入りという堂々の結果を残した。

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 (28日、第96回選抜高校野球大会準々決勝 健大高崎6―1山梨学院)

 山梨学院(山梨)の中原義虎主将(3年)は、試合終了を一塁コーチスボックスで迎えた。最後の打者が放った飛球が、相手中堅手のグラブに収まったのを見届け「終わったな」と思った。「やれることだけをやって、ベストメンバーで戦った結果。自分たちの力はここまでだった」と敗戦を冷静に受け止めた。

 中原主将の持ち味は打力だ。吉田洸二監督は「中軸を打てる」と評価。「代打の1打席だけでなく、先発メンバーに入れたら、試合運びも変わる」と期待された。

 しかし、守備に課題があった。右肩、右ひじを故障して1月ごろ、守備練習ができない時期があった。選抜大会では、同じ外野の控え選手だった河内佑樹選手(3年)が3番打者として先発出場を果たした。

 「プレーでみんなを引っ張ることができない分、他の面でチームに貢献したい」。寮生活のルールを守ることなど、生活面でも部員を引っ張ることに努めた。

 今大会では一塁コーチを買って出た。試合中、リードの幅など走者に細かな指示を出した。

 この日の準々決勝は、相手に先行され、苦しい展開が続いた。伝令としてマウンドに駆け寄った際には「良く投げてるぞ」などと投手らを励ました。

 七回には2死三塁の好機で代打で出場したが、遊ゴロとなった。「自分が流れを切ってしまった」と悔やんだ。今大会、代打として2回打席に立ったが、無安打、1三振だった。

 吉田監督は「力がなかったチームが、選抜に出場できるまでに成長したのは、選手たちをまとめた主将の力も大きい」と認める。

 8強入りで選抜を終え、中原主将は選手としての進化を誓う。「守備の課題を『伸びしろ』と捉え、率先して練習に取り組んで、夏にはまたここに戻ってきたい」(三宅範和)