秋田県大館市立比内中学を今春卒業した宮嶋歩菜(あゆな)さん(15)=同市=が、2月に神奈川県藤沢市であった自転車のBMXフリースタイルのワールドカップ(W杯)で、国際大会初出場ながら女子フラットランドで2位に入った。練習に専念できる環境を…

 秋田県大館市立比内中学を今春卒業した宮嶋歩菜(あゆな)さん(15)=同市=が、2月に神奈川県藤沢市であった自転車のBMXフリースタイルのワールドカップ(W杯)で、国際大会初出場ながら女子フラットランドで2位に入った。練習に専念できる環境を求め、4月から日体大桜華高校(東京)へ進学し、さらなる飛躍を誓う。

 フラットランドは自転車のフィギュアスケートとも呼ばれ、平面でBMXを回転させたり、ジャンプさせたりして技の難易度や独創性を競う。ジャンプ台を使う「パーク」は東京五輪で正式種目に採用され、フラットランドも今後、五輪種目になることが期待されている。

 宮嶋さんは身長150センチと小柄だが、ダイナミックな表現力が持ち味だ。得意技は「カールクルーザースピン」。前輪に乗ってサドルを持ち、後輪を浮かせて回転させる。2月のW杯では、「2位という結果を残せたことはうれしい」としつつも、「緊張して自分の思い描いていた技が出せなかった。練習不足が原因」と悔しさもにじませる。

 小学2年のとき、能代市でフラットランドのショーを見て、「普通の自転車にはできないことができる」と夢中になった。盛岡市のスクールに通いながら、インターネットのプロライダーの動画を参考にして、見よう見まねで練習を始めたという。

 学校がある平日は1~2時間、休日は6~7時間、練習に打ち込む。競技の魅力は「技がたくさんあり、選手の個性が出やすい。実力があれば、オリジナルの技にも挑戦できる」。

 昨年から女子エリート部門(15歳以上)に参戦すると、全日本BMXフリースタイル選手権など国内の公式戦3大会で優勝。昨年の年間ランキングで1位になった。今年、日本自転車競技連盟の強化指定選手にも選ばれた。

 進学先の日体大桜華高には特別競技部があり、練習に専念できる環境が整う。寮生活を送りながら、学業との両立もめざす。

 宮嶋さんは「これまで父が担ってくれたBMXの整備も、自分でできるよう成長したい。たくさんの人にフラットランドの競技の楽しさを伝えられるような選手になり、世界チャンピオンをめざす」と将来を見据えた。(滝沢隆史)