長打はゼロ。派手さはなくとも、打線のつながりと機動力、そして堅い守りで着実にリードを広げた。第96回選抜高校野球大会の2回戦に臨んだ報徳学園(兵庫)は27日、常総学院(茨城)に6―1で快勝し、2年連続のベスト8進出を果たした。準々決勝は大…

 長打はゼロ。派手さはなくとも、打線のつながりと機動力、そして堅い守りで着実にリードを広げた。第96回選抜高校野球大会の2回戦に臨んだ報徳学園(兵庫)は27日、常総学院(茨城)に6―1で快勝し、2年連続のベスト8進出を果たした。準々決勝は大会9日目の第4試合(28日午後4時開始予定)で連戦となる。対戦相手は、甲子園で春夏通算9度の優勝を誇る大阪桐蔭(大阪)だ。(森直由)

 報徳学園にとってこの日は、春夏合わせて甲子園100戦目の節目。「100戦目を任せたぞ」。エースで主将の間木歩投手(3年)は前夜、大角健二監督から先発を告げられた。

 甲子園での先発は、昨年の選抜決勝で山梨学院に打ち崩されて以来。責任を感じたが、「1人で最後まで投げきろう」と誓った。

 マウンドに上がると、変化球が思うコースに決まらず、直球を中心に組み立てた。走者を出すと「ギアを入れた」といい、再三のピンチを乗り切った。

 三回に1点を先制し「気持ちが楽になった」。四回は2死三塁の好機で打順が来た。「甘い球を振り抜こう」と内野安打をもぎ取り、2点目を挙げた。

 完投はならなかったが、8イニングで被安打5、犠飛による1失点だった。

 「昨年の決勝で打たれたからこそ、今日の投球ができた。100戦目にふさわしい試合ができたけど、自分の投球は70点台」。試合後も表情は厳しかった。

 準々決勝で対戦する大阪桐蔭には、昨年秋の近畿大会で3―4で敗れている。「一番のライバルで、リベンジしなければいけない相手。チャレンジャー精神で挑んで、昨年秋と比べて成長した姿を甲子園で見せたい」と気を引き締めた。(森直由)