(27日、第96回選抜高校野球大会2回戦 青森山田6―5広陵) たった20グラムの差で、見違えるような打撃に変貌(へんぼう)した。 青森山田の対馬陸翔(りくと)選手(3年)は今大会、木製バットを使う打者として注目されている。しかし、1回戦…

 (27日、第96回選抜高校野球大会2回戦 青森山田6―5広陵)

 たった20グラムの差で、見違えるような打撃に変貌(へんぼう)した。

 青森山田の対馬陸翔(りくと)選手(3年)は今大会、木製バットを使う打者として注目されている。しかし、1回戦の京都国際戦は4打数無安打に倒れた。

 そのとき使ったバットは890グラム。「緊張で、振り切れなかった」と反省していた。

 この日の2回戦、広陵(広島)戦で20グラム軽い870グラムの1本に代えると、バットさばきが一変した。「軽くなって、しっかり振れるようになりました」

 2点を追う八回、1死満塁で打席へ。外角低めの変化球を、バットの先ですくい上げるようにとらえた。打球は右前に落ち、走者2人をかえす起死回生の同点打となった。

 「ボールの方向に逆らわないで打つことができました」と、手ごたえを語った。

 練習でも、逆方向への打球が増えていた。バットをしならせるように打つ巧みさを、ここ一番で発揮した。

 同点の十回には、小技が光った。バントで球の勢いを殺して内野安打に。無死満塁の好機をつくり、直後のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 「自分の持ち味は勝負強さ。準々決勝もチームに貢献して、日本一をめざして戦います」と、気迫をみなぎらせた。(渡部耕平)