中央学院(千葉)が持ち味の走力を生かして勝った。3盗塁のほかにも常に先の塁を狙う姿勢が目立った。本塁憤死や暴走気味の走塁にも、相馬幸樹監督は「ナイスチャレンジだった。ああいう野球をめざしているんで」と即答した。 四回に二盗を決めた1番青木…

 中央学院(千葉)が持ち味の走力を生かして勝った。3盗塁のほかにも常に先の塁を狙う姿勢が目立った。本塁憤死や暴走気味の走塁にも、相馬幸樹監督は「ナイスチャレンジだった。ああいう野球をめざしているんで」と即答した。

 四回に二盗を決めた1番青木勝吾は三回、二盗に失敗していた。それでも「アウトになってもいい、と監督に言われているんで。失敗しても引きずらない」と臆することなく走った。そうした積極性あってこその走塁だが、その裏には偉大な指導者の教示もあった。

 相馬監督は社会人シダックス時代、プロ4球団を率いた野村克也監督の指導を受けた。それを選手たちに還元していくのもひとつの使命と考えている。極意をまとめた「ノムラの教え」を、選手たちはいつでも読めるようになっている。

 青木が参考にしているのは「ボールカウントによる状況判断」だという。12通りあるカウント別に、どう配球を読み、対応するかは「教え」の根幹だ。この日、青木は2度とも1ボールから相手投手が変化球を投じた時に走った。

 「教え」を読むことを強制されてはいないという。それでもしっかり準備している選手がいる。ノムさんは甲子園で生きている。(堀川貴弘)